コロナ禍の影響で、今夏は「特別な夏」。そうしたなか、学生トレーダーは試験や課題も終わり、気分だけは夏休みに入っている。
早稲田大学は久しぶりの取引で、米ドルを選択。「思いのほか伸びなかった」が、利益を確保。明治大学は英ポンドや豪ドルで取引を重ねたものの、マイナスだった。引き続き英ポンド狙いの慶応義塾大学は、米国の雇用統計をにらんで取引。利益を積んだ。専修大学も前週から保有していたドルを売却。利益を積んで、他大学を突き放しにかかる。
円と似た動きをする通貨「スイスフラン」(早稲田大学)
すべてのテストとレポートが終わって夏休みに入り、かなりぐうたらな生活を送っているが、今週(8月3日週)は久しぶりに取引した。
まずは先週の予想の答え合わせである。機関投資家の円売りによるドル円上昇を予想したわけであるが、微妙というのが率直な感想。8月3日(月)にさっそく1ドル=105.8053円でエントリーをしたが、思いのほか伸びなかったので、同日夜に106.1653円まで上昇したところで利益を確定した。200通貨でのエントリーで、利益は149円であった。
3日以降は円売りによるドル円上昇が続くとは思いにくい値動きをしていたので、様子見に転じた。FXは値動きの要因が多すぎるので、全部把握することは無理だが、少しでも予想の精度を上げるために今週も投機筋に絡めて一つ調べものをした。
今回は日本円と連動性の高いと噂されている「スイスフラン」を元に今後のドル円の動きを予想していこうと思う。
まずフランと円の連動性についてだが、円は安全資産として有名である。有事の円高とよく言われたりするが、この安全資産という観点で円に並ぶ通貨がスイスフランである。
過去の通貨ごとの上昇下降を%(百分率)表示したチャートを見たのだが、ドル円とドルフランのグラフはほぼ重なるといえる。それほど連動性が高いので、フランが売られるときは円も売られやすく、フランが買われるときは円も買われるのではないかという仮説が生まれるのである。
そして、おなじみ「CFTC(米商品先物取引委員会)」によるとヘッジファンドのフラン買いポジションが現在(前週7月28日・火)パンパンになってきたことがわかる。つまり、そろそろ売りに転ずる、すなわちドルフランが上昇し、先ほどの仮説が正しければドル円も上昇していくのではないかというのが今週の予想である。
今週のドル円の値動きはあまりおもしろくなかったので、来週はぜひ気持ちよくドル円が上昇しておもしろい相場だったと言えるようになってほしいと思う。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
ドル円がしっかりと上昇に転じましたね。安全資産とされる金が売られて、避難通貨である日本円とスイスフランも週明けは売られました。外為ドットコムのポジション比率を見ると、スイスフラン円では8割ほどの個人投資家がスイスフランを売っており、対ドルでは9割にもなります。
個人投資家は逆張りが多く、ヘッジファンドとは逆のポジションも持つことが多いのですが、典型的な例となっていますね。
参考リンク「ポジション比率情報 外為どっとコム」
前週からの損益 プラス149円
8月7日現在 1万1569円