【コロナに勝つ! ニッポンの会社】コロナによく効くAI 大学がオンライン試験の「監督」に採用 入口が複数の会場で検温1回でOKなシステムも

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   新型コロナウイルスの感染拡大で、学校の臨時休校や資格・検定試験のスケジュールが変更されるなか、文部科学省は全国の国公大学、私立大学に対して、総合型選抜、学校推薦型選抜でオンライン面接を採り入れるなどコロナ禍に応じた措置を要請している。

   しかし、AO入試が衣替えされ2020年秋から実施される総合型選抜では学力検査が必須で、21年の入試にもコロナの影響が残ることが考えられる。そのため、教育サービス事業者のあいだでは、オンライン試験監督システムの開発に力が注がれている。

  • 大正大学は「オンライン試験監督システム」を使って試験を実施する
    大正大学は「オンライン試験監督システム」を使って試験を実施する
  • 大正大学は「オンライン試験監督システム」を使って試験を実施する

コロナ避け「自宅受験」が可能に

   教育ITソリューションを提供している株式会社EduLab(エデュラボ、東京都渋谷区)は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、在宅型の試験運用に対応した従来のシステムを強化。AIを活用して本人確認や不正行為の監視を厳しく実施する「オンライン試験監督システム CheckPointZ」開発。このほど、大正大学(東京都豊島区)のオンライン入試で活用されることが決まった。2020年8月12日の発表。

   「CheckPointZ」は、試験実施中の受験者の様子やPC操作のログなどをすべて記録し、AIと人によりそれらをチェックすることで、テスト受験者の受験中の様子を厳正に確認することができる。AIによるチェックは、目線の動きを追うアイトラッキングなどの技術を組み合わせ、人だけでは見落としかねない行動を捉えることができる。

   大正大学では、11月28日実施の学校推薦型選抜の「基礎確認テスト」で「CheckPointZ」を採用。また、同日の面接はビデオ通信アプリ、Zoomを使って実施される。

   「CheckPointZ」をめぐっては、すでに日本英語検定協会と共同で、在宅で「英検」CBT(コンピューター対応試験)版に導入し、新CBTサービスとして今年度中の実現を目指し開発が進められている。また、大学入試向けの提供では、数々の大学と長年にわたるネットワークを有する旺文社と連携してサービスを展開している。

   新型コロナウイルスの影響では、今年5月に予定されていた司法試験が3か月延期され、8月12日から開始。同日と13、15日に論文式、16日に短答式が実施される。また、宅地建物取引士資格試験(宅建試験)では、例年どおり試験会場を借り上げることが困難となり、試験を一日で終わらせることができなくなり、10月18日と12月27日に分けて実施されるなど、対応に苦慮している。

◆ 映像解析AIで最初の検温を「パスポート」化

   こちらは、「AI検温パスポート」。映像解析AIプラットフォーム「SCORER(スコアラー)」を活用してサーマルカメラで撮影した画像と検温結果をプリントアウト。複数に検温ゲートがある施設などで、プリントが「パスポート」として機能する。

検温結果をプリントアウト
検温結果をプリントアウト

   「パスポート」サービスは、「SCORER」を運営する株式会社フューチャースタンダード(東京都文京区)が新たに始めた。8月13日の発表。

   複数の入口があり、多くの人たちが出入りする商業施設などでは、各店舗で検温を実施していることが少なくないが、「パスポート」があれば、1度の検温で済む。また、検温スタッフ配置が難しいイベントの会場などでは、入場者が自身で検温。プリントアウトした紙をチケットに添えて渡す使い方が可能だ。

   機器単独で利用する単独モデルと、LTE通信機能が付属しクラウドに検温結果をアップロードするモデルの2つのパターンを用意している。

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