【馬医金満のマネー通信】世界のダウンロード数20億超! どうなる? TikTok買収騒動

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   みなさん、こんばんわ。馬医金満です。

   中国企業が運営する動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国企業への買収をめぐる問題が、米中対立と相まって揺れに揺れています。

   トランプ米大統領の「中国への個人情報の流出」や「ティックトックの使用禁止」発言は、米国内のみならず、日本をはじめ多くの国々で同調ムードが漂いはじめています。みなさんの周りでも、もしティックトックが使えなくなったら「困る!」「みんなが使っているのに...」「なんで!」と、不満が続出していることでしょう。そんなティックトックの買収騒動を考えてみました。

  • 「TikTok」って楽しいのに、使えなくなるの……
    「TikTok」って楽しいのに、使えなくなるの……
  • 「TikTok」って楽しいのに、使えなくなるの……

米マイクロソフト、ツイッターが名乗りか

   米マイクロソフトは2020年8月2日、「TikTok」アプリを運営する中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)と、一部事業の買収で交渉を進めていることを明らかにしました。

   マイクロソフトはこれまでにティックトックの北米、オーストラリア、ニュージーランド事業の買収を目指していると明らかにしていますが、英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、マイクロソフトはインドと欧州事業も含めたい考えだといいます。

   また、マイクロソフトは買収提示額を明らかにしていないものの、バイトダンス幹部はティックトック全事業の価値を500億ドル超と見込んでいると、関係筋がロイターに明らかにしています。

   ティックトックは中国企業バイトダンスの傘下で、世界のダウンロード数は20億を超え、米国の利用者も1億人にのぼります。ただ、利用者の個人情報が中国当局に流出する懸念などからトランプ政権は9月半ばを期限に、米国内の使用禁止か、米国事業の米国企業への売却を迫っています。その買収交渉を、マイクロソフトとバイトダンスとのあいだで現在行っているということです。

   さらに、ロイター通信は関係者の証言として、「SNS大手のツイッターが、ティックトックを(自社サービスと)組み合わせる可能性について予備的な交渉を行った」と報じました。短文を投稿するSNS大手のツイッターが、短時間の動画のSNSの「TikTok」を組み合わせれば、ソーシャルメディアとして、さらに強力になる可能性がありますが、ツイッターの時価総額は294億ドル(約3兆1000億円)で、マイクロソフトの1兆6100億ドル(約171兆円)とだいぶ開きがあり、買収に向けた資金力では大きな差があるようです。

激化する米中対立のとばっちり

   そもそも、中国のティックトックがトランプ米大統領に目の敵にされる背景には、中国の一帯一路政策や貿易摩擦、人権問題などがあります。東シナ海や南シナ海への海洋進出、インドとの国境問題など周辺国との摩擦が強まっているうえ、香港や台湾問題に今回の新型コロナウイルスの発生源の問題と、「覇権国」米国としては「目に余る行為」が続いていることがあるのでしょう。

   これに対し、トランプ米大統領は対中国強硬姿勢を一段と強めています。8月6日には、ティックトックを運営するバイトダンスに加えて、対話アプリの「微信(ウィーチャット)」のテンセントとの取引を、45日後から禁止する大統領令に署名しました。

   米アップルやグーグルと取引できなくなれば、事実上、米国から両社のアプリが締め出されることになります。2018年以降、トランプ米大統領は中国通信大手のファーウェイを米国市場から排除してきましたが、それと同じことを通信アプリにまで広げようというわけです。

   一方、ティックトックはこうした米中対立の悪化で、事業展開を大きく変更させる必要が生じています。当事者は米国と中国ですが、ティックトックを利用する人は日本にも大勢います。しかも、多くは若い人です。個人情報の漏えいは、もちろん気になりますが、急に「使えません」となったとき、どうなるのか――。そちらのほうが、もっと気になります。

   今後、ティックトックのどの事業を、どの企業が買収するのか。また米国企業が買収したあとに、どのように運営していくのか、とても気になるので、今後もウォッチしていこうと思っています。

   では、また!(馬医金満)

姉妹サイト