締め切りギリギリの入社承諾書に「待った!」 バカ正直なわたしがとった行動は?(叶多凛)

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「待った」のリスクとだからこそ得たもの

   悩んだあげく、わたしはバカ正直を貫き通すことに決めた。内定を出してくれていた会社に、「待った」と入社承諾書の提出期限の延長を申し出たのである。

   リスクはあった。最悪の場合、「待った」というくらいなら内定も取り下げます、なんて言われかねない。どんなにうまく説明したとしても、「ああ、うちより志望度合が高い会社があるのね」と、いい印象は持たれないだろう。

   でも、もうこうなったら、バカ正直らしく包み隠さず、自分の状況をぶちまけてしまおう。これでダメなら仕方ない、なるようになる!とまあまあな覚悟をして。

   結果として、入社承諾書の提出期限を1か月ほど延長してもらうことができた。ふー。肩の荷が一つ下りた気分。最悪の事態にならなくて、本当によかった。

   一般に、入社承諾書の提出締め切りは短く設定されていることが多く、「他社の選考がまだ残っているのにどうしよう!」となるのは、往々にしてあり得ることであると思う。バカ正直なわたしはこんなやり方になってしまったけれど、こういった状況に陥ったときの対応は、就活生によってそれぞれ異なるはず。正直に状況を説明するもよし。とりあえず承諾書を提出するもよし。わたしのやり方が最適だとも思わない。なんてったって、リスクありまくりの方法だし。

   でも一つだけ、正直に話してよかったなと思ったのは、正直に自分の要求を会社に伝えた時に、その会社がどう対応してくれるかをわかったことである。就活生の要求にも柔軟に対応してくれる会社は、入社後に何か困ったことがあった時も柔軟に対応してくれるだろうなって思ったりした。

   そういう意味でも、わたしにとって得るものがたくさんある「待った」だった。(叶多凛)

鈴木 修二(すずき・しゅうじ)
鈴木 修二(すずき・しゅうじ)
現在、東京都内の難関私立大に通っている3年生。現役就活生として、今まさに就職活動中の立場だからこそわかる、最近の就活の実態をつまびらかにしていきたい。
自分と同じ、来春(2021年)卒の学生には共感の場を、これから就活を控える2022、23年卒の学生には、就職活動にはびこる企業の体裁と内情の乖離を、正確に把握するための機会になれば、と思う。
そして、意中の企業に就職して、すでにキャリアを積んでいるであろうビジネスパーソンさんには、さまざまな企業の採用戦略をエンターテインメントとして読んでいただければ、うれしい。
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叶多 凛(かなた・りん)
現在、東京都心から少し離れた自然あふれる私立大学に、のびのびと通う4年生。「学部4年生×就活生」というのはいささか不思議に思われるかもしれないけど、そうワケありである。
現役就活生として、シューカツのあれこれを率直に書いていきたい。就活に励んでいる「同士」には、「あるある」と思わず膝を打つような、まだまだ就活なんて!という学生には、シューカツの一端を覗いてもらえるような。そんな内容にできればといいな、と思う。
テーマは「就活も楽しむ!」。いろいろな企業に赴き、さまざまなビジネスの話を聞くことができるのは、就活生だけの「特権だ!」と思っている。そんなふうに就活できたら、イヤな面接官も撃退できるかも。なんて考えている。
得意なのは、英語。今夏の東京五輪・パラリンピックでは、世界中から訪れる報道陣の手助けをするインターンシップにも登録。こちらも、ガンバル!
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