いま小学生のわが子に「勧めたい職業」「避けて欲しい職業」トップ3は?子どもと母親のギャップあり過ぎ!

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   コロナ禍が、働き方を含めた「職業観」にも変化を与えている。働く主婦層に、小学生の子どもに勧めたい職業を聞くと、安定している「公務員」が1位になったが、日夜コロナと戦っている「医療従事者」が3位に浮上した。

   一方、避けて欲しい職業の上位には「ユーチューバー」「インスタグラマー」「プロゲーマー」などが登場した。自粛生活が長く続き、インターネットやゲームに接する機会が多くなった子どもの姿を見ていることも影響しているようだ。

  • コロナ禍の今、医療従事者になってほしい親が多い(写真はイメージ)
    コロナ禍の今、医療従事者になってほしい親が多い(写真はイメージ)
  • コロナ禍の今、医療従事者になってほしい親が多い(写真はイメージ)

コロナと戦っている「医療従事者」を目指してほしい

   「働く主婦が、小学生くらいの子どもの勧めたい職業、避けて欲しい職業は?」という調査結果をまとめたのは、主婦に特化した人材サービス、ビースタイルグループの調査機関「しゅふJOB総研」だ。インターネットで働く女性1000人に「もしも今、小学生の子どもがいたら」という条件で、「勧めたい職業」と「避けてほしい職業」についてアンケートを行い、2020年7月28日発表した。

   やはり子どもの職業には「安定」を求める人が多く、「勧めたい職業」(複数回答)の1位は「行政系公務員(国家公務員・地方公務員)」となった。ちなみに、同じ公務員でも「公安系公務員」(警察官・自衛官・消防士)は「危険だ」ということで、14位に順位が下がっている。

   2位は「IT」(システムエンジニア、データサイエンティスト、AI技術者)、3位に「医療従事者」(医師、薬剤師、看護師)、4位以降はいわゆる「士業」の「有資格系自営業」(弁護士、税理士)と「設計」(建築士、設計士)、「語学」(通訳者、翻訳者)、「法曹」(裁判官、検察官)、「学識者」(大学教授、科学者)などが続いた。

   一方、子どもには絶大の人気がある、画家・デザイナー・写真家・音楽家・作曲家などの「芸術」(12位)や、作家・アニメ・漫画家・映画監督などの「クリエイター」(13位)、ミュージシャン・俳優・芸人・モデルなどの「芸能」(21位)。そして野球・サッカーなどの「スポーツ選手」(23位)は、母親から見れば「不安定」ということになり、10位以内にランクインできなかった。

   また、小中高の「学校教諭」(16位)や、幼稚園教諭・保育士などの「幼児育成」(20位)も、母親は当事者として日ごろから接して「大変」であることがわかっているためか順位を大きく下げている=図表1参照

(図表1)勧めたい職業ベスト20位
(図表1)勧めたい職業ベスト20位

   一方、「避けてほしい職業」については、1位は「避けてほしい職業はない」だった。これは、女性たちの自由回答を見ても「本人がやりたいものをやってほしい」「自分の将来は自分で考えるべき。親が特にいうことはない」という意見が多いことからわかる。

子どもが憧れる「スポーツ選手」「芸術家は」はやめてほしい

「職業ではない」と、ゲーマーになって欲しくない親が多い(写真はイメージ)
「職業ではない」と、ゲーマーになって欲しくない親が多い(写真はイメージ)

   具体的な職業では、1位に「ネット投稿」(ユーチューバー、インスタグラマー)、2位に「競争系運転手」(カーレーサー、ボートレーサー、騎手)、3位にゲームプレーヤー」(eスポーツ選手、プロゲーマー)、そして4位に「介護」(介護福祉士、ヘルパー)が入った。

   「ネット投稿」や「ゲームプレーヤー」は、母親からみると「職業ではない」という意識があるようで、「競争系運転手」は「危険」であること、「介護」は母親も当事者として「大変」であることがわかっているからとみられる。

   また、「避けてほしい職業」でも、女の子に人気のあるモデル・女優・ミュージシャンなどの「芸能」(6位)とケーキ・パン・喫茶などの「飲食系店員」(7位)、「学校教諭」(9位)、そして男の子に人気がある「スポーツ選手」(10位)などが「不安定」ということで上位に入り、親子間のギャップが明かになった=図表2参照

(図表2)避けて欲しい職業ベスト20位
(図表2)避けて欲しい職業ベスト20位

   今回の結果について、調査を行った「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長は、こう語っている。

「ただでさえ世の中の流れが早いところにコロナ禍が発生し、未来の姿はますます見えづらくなりました。自由回答でも改めて公務員の安定性を感じたという声がいくつも見られました。避けてほしい職業の2位にはユーチューバーなどの『ネット投稿』が入り、3位はカーレーサーなど『競争系運転手』が入りました。子どもたちが憧れを抱く職業が、親から見ると避けてほしい職業として映るというギャップもあります。
しかし、勧めたい職業の3位にコロナと戦っている医療従事者が入りました。また、『避けてほしい職業はありますか』という問いに、最も多くの人が選んだのは『避けてほしい職業はない。子ども自身が決めること』という回答です。子どもの職業について、勧めたり避けてほしいと考えたりするのは『親心』なのかもしれませんが、親心が仇になって子どもの可能性をつぶしてしまうことも否定できません。コロナ禍の影響で今年は、例年とは違う夏休みになりそうです。将来の職業について親子で真剣に語り合うのもよいかもしれません」

   一方、ネット上ではこの調査について、こんな意見があった。

「新型コロナの給付金の対応をしている役所の公務員を見ていると、とてもじゃないが、安定していいよ~、なんて安易に勧められない。どんなクレーマーにでもきちんと対応しないといけない。どんなに無茶苦茶を言われても我慢しなくてはいけない。安定しているだけで、あえて目指す職業ではないと思ってしまいます」
「公務員の給料が上がるというニュースが出ると、必ず叩かれるが、自分の子どもには公務員を望むというのが鉄板なのは何なの? 結局、安定した身分がうらやましいだけ? 公務員といっても、役所の職員も警察官も消防官も自衛官も裁判官も検察官も教員も市営バスの運転手も、みんな公務員だが働き方は全然ちがうでしょ」
「ITがオススメの2位とは...。夫婦共にIT系だが、子供に勧めたいかと言われると、う?ん、微妙。なにしろ適当が通じない仕事だし、精神的に壊れて社会生活からリタイアしてしまう人も多数見てきた。ITを使う人からすると、よく見えるのかな。とても大変な仕事ですよ」
「ユーチューバーが嫌われているが、ひと口にユーチューバーといっても、奇抜なことやっている人もいれば、きちんと自分の技術や特技を講義形式でやっている人もあり、千差万別。内容が良質であれば、登録者数、再生回数が延び、稼げる可能性が大いにある。これからのビジネスモデルとしてはありだと思う」
「ひと昔前は大人気だったテレビ、新聞の『メディア』が低いですね(編集部注:勧めたい職業の22位)。最近、他人を傷つけるテレビ番組や報道が目に余るからでしょうか」

(福田和郎)

姉妹サイト