子どもが憧れる「スポーツ選手」「芸術家は」はやめてほしい
具体的な職業では、1位に「ネット投稿」(ユーチューバー、インスタグラマー)、2位に「競争系運転手」(カーレーサー、ボートレーサー、騎手)、3位にゲームプレーヤー」(eスポーツ選手、プロゲーマー)、そして4位に「介護」(介護福祉士、ヘルパー)が入った。
「ネット投稿」や「ゲームプレーヤー」は、母親からみると「職業ではない」という意識があるようで、「競争系運転手」は「危険」であること、「介護」は母親も当事者として「大変」であることがわかっているからとみられる。
また、「避けてほしい職業」でも、女の子に人気のあるモデル・女優・ミュージシャンなどの「芸能」(6位)とケーキ・パン・喫茶などの「飲食系店員」(7位)、「学校教諭」(9位)、そして男の子に人気がある「スポーツ選手」(10位)などが「不安定」ということで上位に入り、親子間のギャップが明かになった=図表2参照。
今回の結果について、調査を行った「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長は、こう語っている。
「ただでさえ世の中の流れが早いところにコロナ禍が発生し、未来の姿はますます見えづらくなりました。自由回答でも改めて公務員の安定性を感じたという声がいくつも見られました。避けてほしい職業の2位にはユーチューバーなどの『ネット投稿』が入り、3位はカーレーサーなど『競争系運転手』が入りました。子どもたちが憧れを抱く職業が、親から見ると避けてほしい職業として映るというギャップもあります。
しかし、勧めたい職業の3位にコロナと戦っている医療従事者が入りました。また、『避けてほしい職業はありますか』という問いに、最も多くの人が選んだのは『避けてほしい職業はない。子ども自身が決めること』という回答です。子どもの職業について、勧めたり避けてほしいと考えたりするのは『親心』なのかもしれませんが、親心が仇になって子どもの可能性をつぶしてしまうことも否定できません。コロナ禍の影響で今年は、例年とは違う夏休みになりそうです。将来の職業について親子で真剣に語り合うのもよいかもしれません」
一方、ネット上ではこの調査について、こんな意見があった。
「新型コロナの給付金の対応をしている役所の公務員を見ていると、とてもじゃないが、安定していいよ~、なんて安易に勧められない。どんなクレーマーにでもきちんと対応しないといけない。どんなに無茶苦茶を言われても我慢しなくてはいけない。安定しているだけで、あえて目指す職業ではないと思ってしまいます」
「公務員の給料が上がるというニュースが出ると、必ず叩かれるが、自分の子どもには公務員を望むというのが鉄板なのは何なの? 結局、安定した身分がうらやましいだけ? 公務員といっても、役所の職員も警察官も消防官も自衛官も裁判官も検察官も教員も市営バスの運転手も、みんな公務員だが働き方は全然ちがうでしょ」
「ITがオススメの2位とは...。夫婦共にIT系だが、子供に勧めたいかと言われると、う?ん、微妙。なにしろ適当が通じない仕事だし、精神的に壊れて社会生活からリタイアしてしまう人も多数見てきた。ITを使う人からすると、よく見えるのかな。とても大変な仕事ですよ」
「ユーチューバーが嫌われているが、ひと口にユーチューバーといっても、奇抜なことやっている人もいれば、きちんと自分の技術や特技を講義形式でやっている人もあり、千差万別。内容が良質であれば、登録者数、再生回数が延び、稼げる可能性が大いにある。これからのビジネスモデルとしてはありだと思う」
「ひと昔前は大人気だったテレビ、新聞の『メディア』が低いですね(編集部注:勧めたい職業の22位)。最近、他人を傷つけるテレビ番組や報道が目に余るからでしょうか」
(福田和郎)