【コロナに勝つ! ニッポンの会社】ここまで来た!ふるさと納税で「墓参代行」 帰省自粛で注目高まる仏事のオンライン化

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   コロナ禍となった2020年のお盆の帰省客は、事前のアンケート調査や交通機関の利用・予約状況などから、例年の3~4割程度という。

   帰省の目的といえば、その一つは墓参り。それもあって、帰省できないがご先祖さまは粗末にできないと代行依頼が盛んだ。

   「お墓参り代行」は、平均8000円~1万2000円の価格で、水や花、線香を供えて合掌礼拝したり、周辺のすみずみにわたり草取りや掃除を行ったり、作業前後の写真を送信いたりするサービス。

   コロナ禍とお盆が重なったことが、仏事を取り扱う会社はもとより、地方自治体と地元企業が協力するケースも現れ、活性化してきた。

  • 今夏はお盆に帰省できない人が少なくない(写真はイメージ)
    今夏はお盆に帰省できない人が少なくない(写真はイメージ)
  • 今夏はお盆に帰省できない人が少なくない(写真はイメージ)

ふるさと納税の返礼品に「墓参代行」

地元の石材店などと「返礼」の墓参代行を行う自治体も
地元の石材店などと「返礼」の墓参代行を行う自治体も

   地元の自治体と企業が協力して墓参りの代行事業に乗り出すケースも目立ったきた。東京を中心とした首都圏でお盆帰省を自粛する動きが強まったなか、各地のふるさと納税で、故郷での墓参りを見送る人に向けた「墓参り代行」の返礼品が増えている。

   ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営する株式会社トラストバンク(東京都目黒区)によると、「墓参り代行」の2020年の返礼登録累計件数が、前年に比べ約1.4倍になった。8月7日の発表。

   「墓参り代行」の返礼品は各地に広がっており、主なものをみると、北海道岩見沢市は寄付金額1万円に対して「お参り前と後の写真を送付」を返礼。岩手県花巻市や埼玉県久喜市、福岡市は1万1000円~2万円に対し「シルバー人材によるお墓の清掃」を、また兵庫県加西市や岡山県笠岡市、徳島県海陽町は、1万円~4万8000円に対し「石材会社による墓参り代行」を返礼品としている。

   ふるさと納税制度は2019年6月、返礼品競争が過熱したのを是正する目的で法改正が行われ、このことが、自治体にも寄付をする側も「地域を応援する」という制度本来の趣旨に立ち返る機会になった。トラストバンクによると、法改正から1年がたち、コロナ禍の影響もあり地域を支援するためにふるさと納税を活用する動きがより活発となっているという。

   こうした墓参代行サービスは急増。インターネット商店街「くらしのマーケット」を運営している、みんなのマーケット株式会社によると、自社で提供しているサービスのうち、「お墓参り代行」のお盆期間(8月13~15日)における予約件数が、2019年の実績の約2.6倍と急増した。8月7日の発表。

   コロナ禍の帰省の問題が取りざたされ始めたころから、全国各地では地元のタクシー会社が墓参り代行サービスに参入したり、仏事関連会社がインターネットを使ったオンライン墓参りなど設定したりした。

   いずれにしても、故郷を離れて暮らす人にとっては、地元の人に代行してもらえれば安心というわけだ。

仏事コーディネーターがオンライン接客

   徳島県各地と兵庫県内にも拠点を持ち、地元ではテレビCMで広く知られる仏壇仏具の製造販売会社、株式会社ぶつだんのもり(徳島市)は、「お盆」の機会に、「オンライン接客」を始めた。2020年8月10日の発表。

仏事コーディネーターの資格を持ったスタッフが案内
仏事コーディネーターの資格を持ったスタッフが案内

   「コロナ禍であらためて『ご先祖様を想う心』『家族を想う心』が大切であると考え、全国で供養や祈りについてお悩みごとや、相談事がある方のためにオンライン接客を2020年のお盆前に開始しました」という。

   新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあって同社には最近、「家族・親族が集まっての法事ができない」、あるいは「終活を始めたいが外出が難しい」などの相談が増え、その対処法として、LINEやZOOMのツールを活用したオンラインによる接客を「開発」した。仏具などの製品の色や質感を、どう動画で伝えるかや、オンラインで集中できる時間の長さなどについて試行錯誤を繰り返してサービス化を実現したという。

   チャットで相談を行い、予約によりビデオ通話に進むシステム。同社に在籍する「仏事コーディネーター」の資格を持った8人のスタッフが応対に当たる。

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