年齢が上がるとモチベーションを維持するのが簡単ではない。むしろ大変で、その壁に悩むとの話をよく聞きます。たとえば、広告代理店でクライアントに対するプレゼンテーションで契約の可否が決まるアカウント営業のSさん。
若手時代はクライアントから、
「ありきたりの提案内容で何も感じなかった」
と言われればショックでモチベーションは大幅ダウン。眠れない夜を経験していました。
ただし、その次の提案で用意周到に準備して「前回とは見違えるような内容。素晴らしい」と称えられれば、モチベーションが大きく上昇。こうしたボラティリティを通じて仕事の質も高まり、成長をしていたようです。
35歳を過ぎると「危険」信号が点灯
ところが35歳を超えて、仕事の一喜一憂も慣れてしまい、仮に受注ができなくても「仕方ない。次で頑張ろう」と割り切り、提案レベルを上げる努力はしない状態になってしまい、「中だるみ感」を覚える毎日を過ごすようになってしまいました。
さらに40歳が近くなると仕事も同じようなことの繰り返しで、目標達成もほどほどで頑張りすぎなくていい、そんな落としどころが見えてきます。こうしたマンネリ化は、どんな職種であっても直面する問題かもしれません。
こうした中だるみが起きる背景には、組織上の「閉塞感」が起きやすい環境が大きな要因と考えられます。
社内はフラット化されて、次のキャリアが不明確な会社が増えました。10年後になれそうな役割がよくみえない、なれたとしても「うれしくない」役割しかみ見当たらない。
ちなみに、医者の方々に話を聞いてみると40代、50代と年齢が上がるとモチベーションが上がりづらくなる医学的根拠はないとのこと。気力、体力が下がりますが、それとは関係ないということなのでしょう。
年齢を重ねたからではなく、自分に与えられた「仕事する環境に変化がない」ことが問題であると思います。
人がやる気を起こすのは、変化の感じを察するとき。新しいことに直面したり、やったことのないことに挑戦したりするときに、変化感は生まれます。モチベーションのボラティリティが小さくなって、中だるみしている40代、50代がいたなら、変化の刺激を与えることです。