そもそも「総合商社」は日本特有の会社
伊藤忠商事の強みは、総合商社としての希少性と模倣困難性にあると思われる。そもそも、総合商社というものが日本特有の会社であり、その発展は日本の歴史に起因する。
非資源国である日本は、外国との取引が必須であり、総合商社が大きな役割を果たしてきた。歴史による発展は、現代では模倣するにはコストが高く経済価値を見出すことが難しいことが多い。経路依存性をよる優位性を有しているといえる。
また、総合商社のビジネスは、複雑であり外部からは、何をやっているのかわからない社会的複雑性を有しているともいえる。
複雑であるため、模倣しようとしても難しく、何が経済的優位性を生じさせているのか明確に理解することができない、模倣困難性を有しているのだ。
伊藤忠商事は、他の財閥系商社が資源を強みに持っているのに対して、非資源に注力している。この戦略が最近の急速な成長を生み出しているのだろう。
このように、非常に魅力的な企業である伊藤忠商事だが、今回は株式を買うのを見送りたいと思う。
理由は、COVID-19による不確実性にある。投資による平均を上回るリターンは、不確実性の中においてリスクを取った者に訪れる追加リターンであることはよく言われており、私もそう思う。
だが、現環境の株価は、中央銀行の資本の緊急放流によって株式市場が洪水にあい、資金がだぶついているものによるものだ。各企業の決算発表による厳しい決算状況が明らかになり膿出しが済んだ後に動き出したとしても遅くはないように思われる。
伊藤忠商事(8001)
年初来高値(2020年2月6日) 2696円
年初来安値(2020年3 月17日) 1911円
直近の株価(2020年7月31日) 2300円
取得株数 な し
【株式取引ルール】
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1年間のトータルで損益を競います。
好きな言葉は「Be Fearful When Others Are Greedy and Be Greedy When Others Are Fearful.」。東京都出身。