業績、財務の安全性は文句なしだが......
次は、シグマクシスの業績を見ていきたい。2020年3月期の売上高は、コンサルタントの人員増などの影響で前年同期と比べて20.1%増の160億300万円、営業利益は74.2%増の22億1100万円、当期純利益は54.8%増の14億700万円と好調で、どれもここ数年は右肩上がりとなっている。
KPI(キー・パフォーマンス・インデックス)については、今期のプロジェクト数は前年同期比4%増の1165件、契約あたり売上高は15%増の1370万円などとなっており、事業は成長を続けている。
財務安全性を見てみると、総資産利益率(ROA)が14.6%、自己資本利益率(ROE)が27.9%、自己資本比率は52.1%であり、同業他社と比べても問題ない数値といえる。
では、株価チャートはどうか。1月17日に2365円の年初来高値を付けてから、3月19日に1024円の年初来安値を付けるまで下落。その後は上昇に転じ、6月初旬には一時1980円の値を付けたが、7月末時点では1600円付近で伸び悩んでいる。
シグマクシスには、現在の株価にも影響を与えている大きな懸念点が一つある。それは、同社の主要顧客が日本航空(JAL)ということだ。JALを顧客とした事業の今期の売上高は17億2000万円で、総売上高の約11%を占めている。
国内外での人の移動が前提となる航空業界は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うさまざまな規制や移動の自粛によって大きな打撃を受けており、株価は低迷し、今後の動向が読めない状況である。
したがって、7月31日のJALの2020年度3月期第1四半期の決算を受けて、シグマクシスの株価は大きく動くことが予想される。また、8月初旬に発表されるシグマクシスの2020年度3月期第1四半期の決算に、JALの業績の影響がどれだけ表れているのかを注視すべきであろう。
この2社の決算内容や、決算発表を経てシグマクシスの株価がどう動くかを予測することは困難であるため、このタイミングでのシグマクシスの株式購入は見送りたいと考える。
シグマクシス(6088)
年初来高値(2020年1月17日) 2365円
年初来安値(2020年3月19日) 1024円
直近の株価(2020年7月31日) 1556円
取得株数 な し
【株式取引ルール】
月200万円を上限に最低1銘柄(企業)を選ぶ、バーチャル投資です。
投資対象は、新興市場を含む上場企業の現物取引です。
1年間のトータルで損益を競います。
「シューカツに使える企業分析バトル カブ大学対抗戦 Season2」を通じて、財務分析と意思決定の精度を少しでも向上させることができるように、頑張ります。