30位特許庁「年次に関わらず論理的に対話できる風土」
さて、20代に人気がある「上下関係がフラットな組織」にはマネジメントのコミットが必要だ。フラットで風通しのよい組織には、若手社員が発言しやすい風土がある。
今回ランクインした企業の社員クチコミにも、「上下関係がない」といった声が多く見られた。また、経営陣やマネジャーがどれだけ上下の境をなくし、若手の意見を尊重することに努力をしているかも社員クチコミからうかがえる。こんな例があげられる。
サイボウズ
「年次や勤続年数に関わらず、誰でも発言できる環境があるのはとても恵まれていると思う。風通しがよくオープンで、上下関係を感じさせない。リモートワークなど働き方の面での取り組みが先進的で、在宅勤務を交えつつのびのびと働けている」(マーケティング、女性)
ユーザベース
「オープンでフラットを体現している。また非常にボトムアップである。口だけのボトムアップ、オープン、フラットというベンチャー企業は多いが、その大半は内実が伴っていないなか、トップがその企業文化にとても深くコミットしているため、少なくとも私の部署では本当に上記カルチャーが体現されている。自分の意見が求められ、それが業務に反映される。それがあるから、逆に自分自身の業務に言い訳ができず、コミットメントが高くなる。また、トップは上層部の決定や方針、今の事業の進捗についてもメンバーに正しく伝えようとしてくれる」(セールス、女性)
アクシスコンサルティング
「トップダウンと、ボトムアップが融合しており、トップからの明確なビジョンに加えて、ボトムからの意見に聞く耳を持つ柔軟性も持つ」(キャリアアドバイザー、男性)
Hajimari
「若いメンバーが多く活気がある。少し体育会系の雰囲気はあるが、かなりフラットな組織で年齢や社歴に関係なく意見を交わしている。メンバーはそれぞれ自立しており、がちがちな管理ということもない。働きやすいやすいように経営陣が意識して環境をつくっていると感じる」(営業部、男性)
ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド
「社員の成長に対するコミットメントは強く、フィードバックを与えるo貰う文化がどの階層にも定着している。リーダーシップチームの間では部下を活躍させるためには、殻を破ってもらうためには、どのようなフィードバックを与えればよいかといった指導方法に関する議論が常になされている。うまく活躍できていない人がいた場合は、パフォーマンスを改善させるための協力体制が築かれるため、UP or OUTの文化はあるが、OUTにさせないための機会は誰にでも与えられる文化がある」(コンサルタント、男性)
特許庁
「個々人が特許性の判断を行う権限を持っていることもあり、比較的個人の考えが尊重される風土がある。審査部の職員はほとんどが審査官であるため、論理的に対話をすれば年次に関わらず聞き入れてくれる人も中にはおり、風通しの良い職場である」(審査官、男性)
(福田和郎)