空間噴霧で飛沫・飛沫核を不活化する
これからの新型コロナウイルスの感染防止対策として、次亜塩素酸水が注目されているのは噴霧による効果だ。4日の会見で「次亜塩素酸水の空間噴霧による微生物対策」と題して講演した、国立病院機構相模原病院の客員研究員で、エフシージー総合研究所の暮らしの科学部部長を務める川上裕司氏によると、介護施設などの使用実績では、空間噴霧や直接噴霧と清拭の併用でインフルエンザやノロウイルスの感染抑制効果が顕著に示されたという。
新型コロナには換気が効果的とされるが、夏はエアコンをつけ、閉めきりにしがち。室内で放たれた飛沫は落下するが、一部は水分が蒸発した飛沫核となって浮遊しエアロゾル感染の可能性が生じ、さらに水分が蒸発した飛沫核は、より高い空中を浮遊するようになり、空気感染につながる。
川上氏によると、こうした環境の中で、加湿器などで気化した安全な濃度の次亜塩素酸水を常時空気中に存在させると、ウイルス飛沫核や病原となる微生物に接触する確率が高まり、感染リスクを低減する。
また、噴霧した次亜塩素酸は、天井や床、家具などの備品に付着し、ウイルス飛沫核などに作用し続けることで不活化、殺菌して再感染のリスクを大幅に低減することが見込まれる。
石田代表理事によると、次亜塩素酸水の空中噴霧について、消費者からは噴霧した瞬間から強い殺菌効果を発揮するなどの誤解も少なくなく、その是正に努めることも工業会の使命と考えている。