新型コロナ「感染第2波」で業績悪化 会社とトラブル、どうしよう!?(闘う弁護士先生)

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労働者が解雇されても「特別扱い」はない!?

   次に「解雇」ですが、解雇が認められるためには、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる必要があります(労働契約法16条)。

   具体的には、

(1)人員削減が必要か
(2)解雇回避の努力をしたか
(3)人選は合理的か
(4)解雇手続きは妥当か

といった要素を総合的に考慮して判断されることとなります。

   そのため、たとえコロナ禍の影響により業績が悪化していたとしても、それだけを理由に従業員を解雇することはできず、会社を維持するためには、どうしても従業員を減らす必要があったり、各種コロナ関連の助成金を活用しても、なお会社を維持できなかったり、従業員に十分説明したうえで、解雇する人の選定基準などを策定。そのうえで、その基準に従って解雇したりするなどの努力が必要となります。

   では、政府からの会社で働く従業員向けの補助金を申請している最中に倒産したら、その補助金のゆくえはどうなるのでしょうか? 時間がたてば従業員はもらえるものでしょうか?

   たとえば、今回のコロナ禍で政府は業績悪化の会社に、一定の要件を満たした場合に従業員の休業手当を助成する「雇用調整助成金(コロナ特例)」を支給して、雇用維持を図っています。しかし、助成金は会社に対して支払われるため、従業員が直接その助成金をもらうことはできません。

   また、助成金を申請していた会社が、その途中で倒産した場合に、その助成金がどうなるかは、助成金の目的や性質によって異なってくるので、所管の官庁での判断になると思われます。


◆ 今週の当番弁護士 プロフィール
井上圭章(いのうえ・よしあき)
グラディアトル法律事務所所属
九州国際大学法学部卒業後、京都産業大学法科大学院修了。「労働問題」「男女トラブル」「債権回収」「不動産トラブル」などを得意分野とする。
労働問題に関する相談(https://labor.gladiator.jp/)。

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グラディアトル法律事務所
平均年齢30代前半の若手弁護士の精鋭集団。最新の法律知識やツールを駆使し、それぞれの得意分野を生かしながら、チーム一丸となって問題解決に取り組む。取扱分野は多岐にわたり、特殊な分野を除き、ほぼあらゆる法律問題をカバーしている。
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