東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が連日のように過去最高を更新するなか、飲食店などの営業時間を22時までに短縮するよう再び要請しており、景況感に対する警戒感が強まっている。沖縄県や岐阜県では独自の「緊急事態宣言」を発出。大阪府や愛知県なども「感染第2波」として意識され始めたことで、東京株式市場はリスクオフに傾いている。米連邦公開市場委員会(FOMC)をきっかけに、ドル円相場が円高傾向に動いたこともある。
米国と中国の対立が深まっていることにも注意が必要だ。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 円高が足を引っ張る
日経平均株価予想レンジ:2万1000円~2万2200円
2020年7月31日(金)終値 2万1710円00銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、軟調な展開か。
前週の日経平均株価は、為替円高や新型コロナウイルスの感染者数増加が嫌気され、6日続落となり、約1か月ぶりに2万2000円を割り込んだ。
今週の日経平均株価は、上値の重さが意識され、軟調な展開のなか、一時的に下値を探る展開となりそうだ。新型コロナウイルスの感染者の増加が全国規模で進んでおり、東京都は居酒屋などの営業時間短縮の再要請に踏み切るなど、各自治体が対策を開始し、再び景況感に対する懸念が強まっている。
加えて、外国為替相場が円高に振れていることも悪材料となっている。米国では1兆ドルの追加景気対策の成立と7日に発表される米国の7月の雇用統計が注目される。
東京外国為替市場 米国、景気の悪化懸念強まる
ドル・円予想レンジ:1ドル=1ドル=104円00銭~107円00銭
2020年7月31日(金)終値 1ドル=105円88銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、上値の重い展開か。
前週のドル円相場は、ドルが弱含みで推移し、一時1ドル=104円前半まで円高が進行した。4~6月期の米国GDP(国内総生産)がマイナス32.9%と統計開始して以降、最大の悪化となったことで米国景気の悪化懸念が強まった。
今週のドル円相場は、上値の重い展開が続きそうだ。米国景気の悪化懸念が強まっていることに加え、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が会見で「経済を支援するため全手段を用いる」と発言したことで、金利先高観が大幅に後退した。
7日に発表される米国の7月の雇用統計が市場予想を下回るようであれば、ドル売り材料となりそうだ。
経済指標は、国内では3日に1~3月期のGDP2次速報改定値、7月の新車販売台数、4日に7月の東京都区部消費者物価指数、7日に6月の家計調査と毎月勤労統計調査、景気動向指数などが予定されている。
海外では、3日に7月の米国ISM製造業景況指数、5日に7月の米国ADP雇用統計、6月の米国貿易収支、7月の米国ISM非製造業景況指数、7日に7月の米国雇用統計、7月の中国貿易収支などが予定されている。
(鷲尾香一)