【馬医金満のマネー通信】百貨店の生き残り、やっぱりECシフトしかないのか!?

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   みなさん、こんにちは。馬医金満です。

   今回は、百貨店業界の現状と今後の展望について、考えました。

   ここ数年の百貨店業界はアマゾンや楽天のようなECサイトの台頭で、市場がシュリンクしています。すでに、デフレ時代には「三越」と「伊勢丹」に代表される合従連衡が進んだこともあります。そんな状況から息を吹き返した、救世主がインバウンド需要です。

  • 百貨店はECへと舵を切った(写真は、伊勢丹本店)
    百貨店はECへと舵を切った(写真は、伊勢丹本店)
  • 百貨店はECへと舵を切った(写真は、伊勢丹本店)

コロナ禍でインバウンド需要が消滅!

   百貨店各社は共に、インバウンドに向けた販売戦略を打っているのが現状ですが、このコロナ禍で中国人をはじめとする外国人観光客(インバウンド需要)そのものが減少してきており、かなり苦しい戦いになっていると思います。

   数値で見ると、1991年に約9兆7000億円あった百貨店業界の売上高は、2019年には約5兆8000億円まで減っています。

   また大手百貨店の売り上げを見ると、三越伊勢丹ホールディングス(HD)は2019年度3月期決算(2019年4月~20年3月期)で最終損益が111億円と、2期ぶりの赤字に転落しました。

   また同社の杉江俊彦社長のインタビューでは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による2か月弱の休業とインバウンド需要の減少によって、売り上げは前年に対して3割ぐらい減るだろうと予測していました。

   サプライチェーン全体で考えても、イタリアやフランス、東南アジアや中国の工場も、コロナ禍にある期間中は休業を余儀なくされており、本格稼働までには時間がかかる見込みとなっており、大変厳しい状況であることがわかります。

三越伊勢丹HDは社員一人ひとりが自撮りで情報発信

   こうした背景の中で、百貨店各社は「EC」(電子商取引)に舵を切ろうとしています。

   6月9日にローンチした三越伊勢丹の新公式サイト・アプリには、現在約10万点の商品が掲載されています。同業他社では1万点もないため、これはかなり多い数字です。

   また、アマゾンや楽天と異なるのは、社員全員が写真や動画を自分で撮り、出演して語り、一人ひとりが情報を発信できるようにしている点です。

   これにより、他社のECサイトと比べて、シームレスなコミュニケーションができるようになるのではないかと考えていますが、その半面、アマゾンや楽天との差別化では、まだまだ難しいのかな、とも思えます。

   コロナ禍のなか、インバウンド需要が当面見込めないとなると厳しい経営状況が続くことは避けられません。国内外の需要をECサイトで喚起する作戦は、今こそ進めるべきだと思います。

   しかし一方で、百貨店業界の強みとしては銀座をはじめとした一等地に多くの土地を保有していることではないでしょうか。その強みを生かしたビジネスモデル、たとえば不動産業の変換、あるいは商品を手にとって買い物することが楽しくなる、レジャーランドのような仕掛けが必要なのかなと思っています。

   では、また!(馬医金満)

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