少子高齢化は「世界中」の問題 やって来る?「移民獲得」競争の時代(鷲尾香一)

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日本は「世界の模範」となり得るのか!

   こうした人口の減少に対して、米国やオーストラリア、カナダのように出生率の低い国では、移民政策により人口減少を補っている。たとえば、イギリスの人口は2063年に約7500万人でピークを迎え、2100年までに7100万人へと減少すると予測されている。

   米保健指標評価研究所の予測が現実となれば、人口減少問題は各国にとって最重要課題となるだろう。世界中の国で人口が自然減少し、労働生産人口が減少するとなれば、世界経済が大きなダメージを受けることになる。

   打開策はあるのだろうか――。たとえば、世界中の国で人口減少を迎えるとすれば、世界中の国が移民政策を行えば、移民政策は人口増加の有効な手段ではない。むしろ、移民の獲得競争のような事態が発生する可能性すらある。

   また、アフリカの人口が世界の半分近くを占めるようになり、特に移民政策によりアフリカ系の人口が増加する可能性を考えれば、「人種差別問題の解決」は重要な政策課題となる可能性がある。

   日本はすでに世界の人口減少に先行して、人口減少社会に突入している。少子化、高齢化による弊害が出始めている。それは年金制度など社会保障制度を維持していくうえでの大きな問題となっている。

   米保健指標評価研究所の予測は、こうした事態が日本だけではなく、世界中で発生する可能性を示唆している。

   日本は少子化、高齢化に対する有効な政策を打ち出すことで、世界の模範、モデルケースとなることはできないのだろうか。(鷲尾香一)

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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