8月公開の映画「電車を止めるな!」に賭ける
銚子電鉄は1923年に開業し90年以上の歴史を持つ鉄道会社。1990年代後半から2000年代前半にかけて親会社の倒産などで経営危機に陥り、この時は、同社の「ぬれ煎餅」が名物となり、その購入などによる支援で一息つき廃線の危機を脱した。
しかし、2011年の東日本大震災の影響で利用者数が減少し、また経常状況が悪化。沿線駅のネーミングライツ(命名権)売却などの対策を打ち出し、その後、2018年に「経営がまずい」にかけて開発した駄菓子「まずい棒」や、「サバイバル」にかけた「鯖威張る弁当」がヒットした。
今回のコロナ禍は、その広がりや終わりが見えないことなどから、その危機は、竹本社長によると「創業以来の経験」。4月のある日には、1日の運賃収入が5000円以下ということがあり、ゴールデンウイーク中には、売り上げが前年比95%減という日もあった。
こうした状況に竹本社長は、ユーチューブ「激辛チャンネル」の前に、さまざまな記念乗車券などを組み合わせた「廃線危機救済セット」や、銚電グッズとサングラスを組みわせた「お先真っ暗セット」などをオンラインショップで販売。これが好調だったこともあり、さらに通販での攻勢にでた。
さらに8月には、経営難打開の目玉として取り組んだ映画が公開予定。クラウドファンディングで500万円の製作費を集めた「電車を止めるな!」がそれだ。千葉や東京、函館、新潟の4か所で8月28日から順次、上映される。
銚子電鉄では、会社の起死回生につながるヒットを期待している。