「おみやげ」の極意とはなにか
じつは、多くのビジネスパーソンはこの「おみやげ」の効果を理解できていません。賄賂のような印象があるからでしょうか。それとも昔ながらの風習に見えて時代遅れと思っているからでしょうか。若い世代になればなるほど、「おみやげはカッコ悪い」という価値観を持っています。
「おみやげ」で重要なのは、相手の先にいる人物を想像することです。初訪問の取引先におみやげを持っていく場合には、何に注意すべきでしょうか。たとえば女性社長や、女性社員が多い会社であれば、行列ができる人気のスイーツを選んで持っていくべきだと断言できます。
社長には秘書がついています。社長が食べなくても、手渡したスイーツはそのまま秘書や会社のメンバーで消費されることが容易に想像できます。そのうちの一人でもこの有名スイーツのことを知っていれば、「わざわざ並んで買ってきてくれた」ことが第三者の口から社長に伝わります。これほど好印象を与える方法はありません。
その後の展開がうまくいくかどうかはスイーツひとつで決定づけられるものではありませんが、少なくとも何もしないよりは良い結果を生みます。プレゼントをする時には、贈る相手のその先にいる人物を意識することが重要なのです。
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