新型コロナウイルスの感染拡大が、業種によっては回復できない痛手となって、そのために職を失った人たちは少なくない。
外国人技能実習生の場合、帰国がかなわず、自力での「再就職」も容易ではないほど、困難な状態に置かれているという。その一方で、予定していた外国人技能実習生が来日できず、人手不足に悩む企業や農家も少なくない。
居所失った外国人技能実習生をケア
世界中の人材を対象にリクルーティングサービスを提供しているフォースバレー・コンシェルジュ株式会社(東京都千代田区)は、政府がコロナ禍で打ち出した特別支援策を機に、再就職を希望する外国人技能実習生と受け入れを希望する企業のマッチング事業に乗り出した。2020年7月28日の発表。
新型コロナの感染拡大を受けて法務省は2020年5月、外国人技能実習生の在留について特別支援策を発表。失業した実習生は別の企業に再就職し、最大1年間、在留資格「特定活動」で就労することが可能になった。特定活動で再就職した実習生は在留資格「特定技能」への移行が前提となり、特定技能に移行できれば、合わせて最大6年間は日本で就労することができる。
フォースバレーではこの制度を活用し、外国人技能実習生を雇っていながらコロナで雇い止めせざる得ない企業と、新たに受け入れを希望する企業とを無料で仲介する取り組み開始。このほど、兵庫県の皮革製品製造企業で就労していたベトナム人技能実習生3人が、北海道の2か所の畜産農家に再就職した。
同社ではこれからも同様の取り組みを継続し、労働力不足に悩む企業と、コロナ禍の影響による業績悪化で外国人技能実習生を雇い止めせざる得ない企業をつなぐ事業を展開していくことにしている。