カルロス・ゴーン氏、日本脱出費用をビットコインでお支払い! それっていいの?(ひろぴー)

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   昨年(2019年)、楽器のケースの中に入って逃亡するという映画さながらの出来事が起こりました。日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン氏の国外逃亡事件です。

   その時に手助けしたテイラー親子がいるのですが、ゴーン氏の息子であるアンソニー・ゴーン氏が協力金として、50万ドル相当(約5300万円)をビットコインで送金、つまり支払っていたことがわかりました。

参考リンク:「カルロス・ゴーン氏の日本脱出費用、ビットコイン(BTC)で送金 5000万円相当」(COINPOST 2020年7月24日付)

   ビットコインが犯罪に使われたと、悪く思う声もあるようですが、本当のところはどうなのでしょう。今回は、仮想通貨の業界関係者からみた考えをお伝えしたいと思います。

  • カルロス・ゴーン氏は国外逃亡の費用をビットコインで支払った(写真は2014年撮影)
    カルロス・ゴーン氏は国外逃亡の費用をビットコインで支払った(写真は2014年撮影)
  • カルロス・ゴーン氏は国外逃亡の費用をビットコインで支払った(写真は2014年撮影)

捜査を後押し? ビットコインなら「追跡」できる!

   米司法当局が2020年7月22日に連邦裁判所に提出した資料によると、ゴーン氏側は米国大手の仮想通貨取引所コインベース(coinbase)を通じて、ビットコインを送金したとされています。

   コインベースは世界32か国に展開。仮想通貨の取り扱いに関しても慎重なため、厳格な取引所として知られています。

   通常、犯罪に使われているビットコインアドレスはフィルタリングされており、送金ロックが掛かるなど、取引所は対策を講じています。今回は、両社とも一般人であったため、送金できたということでしょう。

   しかし問題はそこではなく、ビットコイン以外も協力金の支払いに使われたということです。親子に支払われた総額は約1億4500万円。そのうち、ビットコインで支払われた割合は37%です。残りはバンクオブアメリカから、米ドルで支払われました。

   つまり「ビットコインが犯罪に使われた!危ない」と考えるのは大きな間違いなのです。

   むしろ、現金よりも捜査が進めやすくなる可能性があります。なぜか――。それは、現金の場合は口座から引き出されてしまえば、いつ、誰がどこに持っているのか、わからなくなります。ところが、ビットコインであれば、送金履歴を追いかけることができるのです。

ひろぴー
FX・仮想通貨トレーダー兼コラムニスト。
サラリーマントレーダーとして、「FXリアルトレード対決!」で優勝するなど、数多くの実績を残す。現在はラジオ日経で投資番組のパーソナリティを務める傍ら、「ザイ!FX」や「みんなの仮想通貨」などのポータルサイト大手での執筆活動にも精力的に取り組んでいる。2015年からは仮想通貨の可能性に注目。仮想通貨への投資を開始した。香港系プライベートファンドにも運用している。
仮想通貨Webサイト:Bitcoin-FXも運営しており、仮想通貨情報発信も行っている。
・仮想通貨ブログ ビットコインFX:https://bitcoin-fx.jp/
・初心者もできる、ビットコイン・イーサリアム投資情報サイト:https://btc-eth.jp/
・Twitter:ひろぴーFX@仮想通貨@hiropi_fx
児山 将(こやま・しょう)
2009年の大学4年時にFXをはじめ、一度は飲食店の店長として働くも相場に関りたく金融メディア大手に就職。記事執筆とサイトのディレクションを行う。FX以外にも、株、指数、オプション、商品、仮想通貨など多岐に渡る商品を取引。現在はフリーランスとしてサイト制作やコンテンツ制作を行いながら個人投資家として活動する。
・Twitter:児山 将@goahead5055
・初心者でもできる、ビットコイン・イーサリアム投資情報サイト https://btc-eth.jp/
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