地元で過ごそうキャンペーンも
そうは言っても、感染のリスクを気にしないわけにはいきません。今夏の休暇にコロナの影響はないのか、引き続きAさんに話を聞きました。
Aさん「子どもが小さく、ここ数年は遠方へ行っていないので、日本への一時帰国を見合わせたほかは影響ありません。7月と8月にお休みをとり、1週間は滞在型の国内旅行で、残りは家ですごし、家族との時間や趣味を楽しむ予定です。まわりも家族と過ごす、国内か隣国で旅行、旅行にはいかない休暇のスタイルが多いです」
リサーチ会社YouGovが6月に実施したアンケート調査によると、ドイツでは87%の人が、コロナの影響で休暇の計画が制限を受けるだろうと答えています。具体的には「とても強く」(11%)、「強く」(22%)、「多少」制限をうける(54%)となり、制限をうけないと答えた人はわずか9%でした。
その他の回答を見ても、休暇の予定は縮小、旅行先は近場を選ぶ傾向であることがわかります。海外旅行は、2018年にドイツ人の休暇旅行先の78%が海外だったというデータ(出典元:Die Welt)と比べると半分以下です。
筆者の住むデュッセルドルフ市では、この流れを受け、自宅で休暇を過ごす市民に向けた広告キャンペーンを展開。「あなたの街で休暇を」をキャッチコピーに、ウェブサイトでは市内で楽しめるイベントやアクティビティを紹介しています。
キャンペーンポスターには、街の象徴であるライン川を背景に、「ビーチへ行きましょう」とスペイン語で大きく書かれています。
スペインは、ドイツでは人気の休暇先。川岸をビーチに見立て、スペインに「行ったつもり」になろうという主旨なのでしょう。「どんな状況であっても夏休みを楽しむ!」というドイツ人の熱い想いを感じずにはいられません。筆者も休暇シーズンは自宅ですごす予定なので、ライン川のビーチに出かけてみようかと思います。(神木桃子)