新型コロナウイルスの感染第2波の懸念が広がるなか、米国と中国の対立が深まっている。米中両国が互いに総領事館の閉鎖命令を出すなど、新たな局面に入った。米中関係の悪化で投資家心理が悪化して、上昇傾向が続いていた米国株は4週間ぶりに下落した。外国為替相場にも大きな影響を与えそうだ。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 上値の重い展開続く
日経平均株価予想レンジ:2万2300円~2万3300円
2020年7月22日(金)終値 2万2751円61銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、上値の重いなか、落ち着きどころを探る展開となりそうだ。
前週の日経平均株価は、小幅ながら2週連続で上昇した。米国が新たな経済対策の検討を開始したことが相場の下支え要因となったものの、米国がテキサス州ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖命令を出したことで、米中関係の悪化が懸念材料となり、上値は重かった。
今週の日経平均株価は、引き続き上値の重いなか、相場の落ち着きどころを探る展開となりそうだ。米国で新型コロナウイルスのワクチン開発が治験段階で良好な結果が得られたこと、米国政府による新たな経済対策の検討は好材料だが、国内での新型コロナウイルスの感染が東京都だけではなく、主要都市で拡大していることや、米国の総領事館閉鎖命令に対して、中国が四川省成都にある米国総領事館を閉鎖するよう米国に要求し、米中間の対立が激化していることが懸念材料となり、相場の上値は重くなりそうだ。
また、米中間の対立激化を受け、外国為替相場が円高に振れていることも嫌気されそうだ。
東京外国為替市場 加速するか!? リスク回避のドル売り
ドル・円予想レンジ:1ドル=1ドル=104円50銭~107円50銭
2020年7月17日(金)終値 1ドル=106円12銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、一時的にドルの下値を試す動きとなりそうだ。
前週のドル円相場は、ドル弱含みとなった。米国がテキサス州ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖命令を出したことで、リスク回避のドル売りが加速した。
今週のドル円相場は、一時的にドルの下値を試す動きとなりそうだ。米国が新たな経済対策の検討を開始したことはドルの下支えとなるが、米国の中国総領事館の閉鎖命令に対して、中国が四川省成都にある米国総領事館を閉鎖するよう米国に要求したことで、米中関係の悪化でリスク回避のドル売りが強まっている。
28日からFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催される。FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長会見での米国経済に対する見解、新たな金融政策に対する発言などが注目される。
経済指標は、国内では7日に7月14、15日開催の日銀金融政策決定会合の主な意見、5月の景気動向指数確報、31日に6月の完全失業率と有効求人倍率、6月の鉱工業生産、7月の消費動向調査などが予定されている。
海外では、28日に米FOMC(29日まで)、7月の米国CB消費者信頼感指数、29日にパウエルFRB議長会見、30日に4~6月期の米国GDP(国内総生産)、31日に6月の米国個人所得と米国個人消費支出、7月の中国製造業PMI(購買担当者景気指数)などが予定されている。
(鷲尾香一)