「やり直し英語」にぴったり 学校で教えてくれなかった「なぜ?」を図鑑化

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フランクな表現が好まれる

   ビジネス英語で多くの人が戸惑うのは「敬語」だ。学校では「英語には敬語がない」などという説明がある一方で、依頼で使う助動詞を過去形にすると丁寧な言い方になるなどのルールがある。そして、それらを習うのが、日本語でも尊敬語や丁寧語、謙譲語の区別がよく分からないうちなので、いまだに戸惑ってしまう人が少なくないという。

   それらのことについて、本書では「英語には本当に敬語がないの?」や「人に何かを依頼するとき、Can you~?をCould you~?と過去形にすると丁寧な言い方になるのはなぜ?」などで解答。「英語の敬語」についてはこう述べられている。「尊敬語や謙譲語に相当する表現はありません」。英語では、社会的地位や年齢による上下関係の意識が希薄で、日常生活ではフランクな表現が好まれるもの。「ただし、TPOに応じた丁寧な表現はある」という。

   尊敬語、謙譲語がない分、丁寧な表現では、丁寧の度合いが異なって何種類もあり、「お願い」をする場合でも「Could you~?」のばかりではなく「I was wondering if~」もしばしば使われる。

   「なぜ?」の80項目は、6章に分けられている。Chapter1は「英語、そもそもなぜ?」で、敬語はここに掲載。Chapter2は「英単語のなぜ?」で、childの複数形がなぜchildrenなのかなどを解説。Chapter3は「その表記のなぜ?」、そしてChapter4「その違いは何?」ではmeetとseeの使い分けなどに触れる。Chapter5は「英語ならではのなぜ?」と冠詞や時制を扱い、Chapter6「英文法のなぜ?」では、その区別や関係が日本人に分かりにくいsomeとanyについてや、am notの短縮形がない理由など、トリビア的な説明がたくさんあり興味深い。

   著者の伏木さんによると、英語について感じる「なぜ?」には、必ず答えがあるもの。それらを一つずつわかっていくと英語の世界が広がるという。やり直し英語の副読本に最適な一冊。

「英語のなぜ?がわかる図鑑」
伏木賢一著
青春出版社
税別1100円

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