「自己流の対策では落ちるよ!」大学生の不安に付け込む「就活セミナー」詐欺が横行 学生同士のエントリーシート添削に数十万円!

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就活対策の代わりに投資セミナーに無理やり入会

大学生まで食い物にする詐欺師(写真はイメージ)
大学生まで食い物にする詐欺師(写真はイメージ)

【事例3】インターネットで就活塾に申し込んで入金したら「今年は無理。来年がんばれ」と言われた
   就職活動に行き詰まり、インターネットで見つけた就活塾に申し込んだ。翌日が初回セミナーなので、クレジットカードで約30万円を入金後、インターネットを通じてセミナーを受講した。そこで「あなたの大学は下位校だから、上位校で就職が決まっていない学生と戦うことになる」「今年ではなく来年に力を注いだ方がよい」と言われた。今年中に就職を決めたいし、教材も大学のキャリアセンターで提供しているものと大差がなかった。(男子学生)

   大学生相手の詐欺では、被害額は10万円以内が4分の1だが、40万円以上の高額も40%以上に達する。なかには100万円以上も7%ある。「お金がない」という断り方をすると、クレジット払いを迫られたり、消費者金融などで「留学目的のローンを組め」などと借金を勧められたりする。「契約はしない!」とハッキリ断ることが一番大切だ。

【事例4】SNSの就活支援アカウントで知り合った大学OBにビジネス教材を押し付けられた
   就活に悩んでいたときに、就活支援のSNSで大学OBと称するAと知り合い、自己PRの添削をしてもらった。その際、「お金に興味はあるか」と聞かれ、「ある」と答えた。数日後、喫茶店でAのほか数人と会い、約32万円のビジネス教材の購入契約をした。Aに、消費者金融で借金するよう指示された。指示どおりに借金し、契約書にサインした。後日、ビジネス教材を受け取ったが、こわくなってやめたいとAに伝えると、クーリング・オフ(編集部注:契約後、一定期間内なら無条件で契約の解除ができる制度)期間が過ぎたと言われた。(女子学生)

【事例5】バイト先の先輩に就活の相談をしたら、就活対策の代わりに投資セミナーに入会させられた
   バイト先の先輩に就活の相談をすると、「いいところを紹介する」と言われて事務所に連れていかれた。事業者から「大学3年になったら就活対策をやる。セミナーに参加してもらい日経平均や企業の業績を学ぶ。まず15万円を貯めて資産運用や投資活動をする。学生でいる間に100万円 に増やした人もいるので、目標を設定してやっていこう」と言われた。入会するには約45万円必要で、「お金がない」と言うと、「学費だと言えば学生ローンから借金できる」と言われ、約45万円を借りて支払い契約した。しかし、半年間にセミナーに行けるのは数回だけで、学生ローンの返済も不安になり、解約しようと思う。(男子学生)

   就活支援で知り合ったという大学OBや、バイト先の先輩などから、就活対策ではなく、「投資セミナー」を迫られるケースが多い。その際、「営業の社会勉強として、友人を誘うと紹介料1万円がもらえる」などと儲け話を装う例もみられる。「就活セミナーではない」とわかった時点で、決して「儲け話」には乗らないことが大切だ。あなた自身も被害者になるからだ。

   また、契約してしまった後も、クーリング・オフや契約の取り消しなどができる場合がある。「就活に失敗する」などと、社会生活上の経験が乏しい大学生の不安をあおって契約した場合には、消費者契約法により契約を取り消すことができるからだ。

   国民生活センターでは、詐欺師に言われるがまま契約してしまったとしても、慌てずに最寄りの消費生活センター(消費者ホットライン188 いやや!)に相談しようと、呼びかけている。

(福田和郎)

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