「自己流の対策では落ちるよ!」大学生の不安に付け込む「就活セミナー」詐欺が横行 学生同士のエントリーシート添削に数十万円!

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   そうでなくても新型コロナウイルスの猛威の中で、例年以上に厳しい就職活動を強いられている大学生が多いのに、その不安に付け込み、詐欺を働くワルが横行している。

「自己流の対策では就活に落ちるよ」

などと持ちかけ、高額の就活セミナーを申し込ませたり、就活対策になるとうたうビジネス教材などを買わせたりする手口だ。ここ数年、トラブルの相談が増加しているため、国民生活センターは2020年7月16日、全国の大学生に注意を呼びかけた。

  • 就活に不安な大学生はつけこまれやすい(写真はイメージ)
    就活に不安な大学生はつけこまれやすい(写真はイメージ)
  • 就活に不安な大学生はつけこまれやすい(写真はイメージ)

就活に失敗した学生の動画で不安をあおる

   国民生活センターによると、「路上アンケートがきっかけで誘われた無料セミナーで高い教材を買わされた」などという不意打ち的な勧誘や、「今の世の中、就職をしても収入は安定しない。それに、金融の知識を持っていると就活に活かせる」などと儲け話をもちかけ、ビジネス教材を売り込むケースが多い。

   全国の消費生活センターに寄せられた相談は、2015年は122件だったが、2019年には192件と5年間で1.6倍に増えた。たとえば、こんな事例だ。

【事例1】路上アンケートがきっかけで誘われた無料セミナーで、入会契約を無理やり迫られた
   就活相談会の帰り、会場前で就活生の意識調査のアンケートを求められ、氏名や携帯番号を教えた。その後、電話で無料の就活セミナーに何度も誘われたので参加した。次のセミナーの勧誘を受け、見学のつもりで行くと、就活塾の契約を勧められた。入会金2万円のほか、受講料が月額2万円というので、「親に相談したい、一度帰って考えたい」と断ったが、「親に相談しないと決められないのは自立が足りない!」「社会人としてやっていけないぞ、アルバイト代で賄え!」と恫喝された。断っても3時間にわたり執拗に勧誘された。契約しないと帰れないと思い、申し込んでしまった。(男子学生)

   就活セミナーの事業者が、就活のアンケートと称し、大学周辺や企業の採用説明会場前に網を張っているケースは多い。アンケートにことよせて、氏名、電話番号、メールアドレスの個人情報を記入させる。後日、まず無料セミナーから誘って安心させ、頃合いを見て有料セミナーに強引に契約させる。アンケートでは、うかつに個人情報を書き込んではいけない。

   また、契約を拒否したら数人がかりで4時間、6時間も拘束されたケースもある。おかしいと思ったら断固、拒否して部屋を飛び出すこと。場合によっては「警察に行く」と言ってもよいだろう。

【事例2】就活に失敗した学生の動画を見せられ、不安になって就活セミナーを契約したが、まったく役に立たない内容だった
   就活セミナーに行くと、「本気の人にだけ聞いてもらいたい」と別日程で別会社の就活セミナーを案内された。そこに行くと、就活に失敗した学生の動画を見せられ不安になった。「入会金は定価約5万円のところ、セミナー当日なら無料、3日以内だと約3万円になる。早い決断が大事」と言われた。さらに卒塾生内定一覧の中に志望の会社があったので、分割手数料を含め約45万円のコースを申し込んだ。しかし、講師ではなく塾生がお互いにエントリーシートを添削しあうような内容で、とても役にたつものとは思えない。(女子学生)

   就活に失敗した学生の動画を見せるなどして不安にさせ、その場で契約を迫るのは詐欺師の常とう手段だ。「この場で決断できないようでは社会人失格」という人格を否定する脅しも決まり文句。必要がないと思う契約の勧誘はハッキリと断り、間違ってもその場で契約しないこと。

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