思いどおりにいかなかったり、行き詰まってしまったり。就活は、トントン拍子には進まない。壁にぶつかってしまった時や、改めて「就活」を見直したくなった時。「誰か」に少し話を聞いてもらうだけで、ふわっと心が軽くなることがある。
その「誰か」は誰でもいい。友達でも、家族でも、先輩でも。けれども中には、悩みを身近な人に相談するのが、なんとなく気恥ずかしくて苦手という人もいるだろう(それは、何を隠そうわたしのこと!)。
でも、誰かに聞いてもらいたい。客観的なアドバイスが欲しい。そんな、「こじらせ就活生」のわたしが頼ったのは......。
「就職エージェント」とのニガイ思い出
「こじらせ就活生」とまではいかないまでも、就活の悩みを誰に相談していいのかわからないという就活生は、意外と多いのではないかと思う。
就活に関する悩みには、ナイーブなものが多い。よっぽど親しい人でないと、なんとなく話題にもしにくかったりする。わたしの場合で考えると、親しい人だとしても、相手のアドバイスを素直に聞き入れることができない気がして、なんとなく相談しにくいというのもあった。
その割に、「じゃあ、相談しないでよ!」なんて言われたら、心が折れちゃう。まさに、こじらせ......。
就活をはじめてすぐの頃、就活の方向性がわからなくて、客観的な意見が欲しくなったことがあった。そのとき、たどり着いたのは、ある企業が運営している「就活エージェント」のサービス。就活エージェントとは、就活生が登録すると、無料で就活の相談やエントリーシートの添削などを行ってくれるサービスのこと。
けれど、このサービスの一番の狙いは、就活生に企業を紹介し、その企業に就職してもらうことにある。なぜなら、彼らが行っているのは、「新卒」という人材を企業に紹介して内定を出してもらうことで、企業側から報酬を得るという「ビジネス」だからである。
そのことをよく理解していなかったわたしも悪かったのだが、「就活の相談ができたらいいな」と思って就活エージェントと話してみたら、次から次へと興味もない企業を紹介され、「とりあえず行ってみなよ」と、別に行きたくもない企業の説明会に行くことになったりした。
「あ、これは面倒くさいやつだ」と気づき、エージェントからしつこくかかってくる電話を無視し続けたら、いつしか連絡は来なくなったけど、割とイヤな思い出。たとえどんなに就活に迷っても、もう二度と就活エージェントには頼らないと心に誓ったのだった。
「頼れるところには頼ってみるのがいいかも」それはこんな人!
そんなわたしが、再び就活に迷いはじめたとき、ふと思い出したのが大学のキャリアカウンセラー制度だった。それまで大学の就職支援制度を利用したことはゼロに等しかったのだけれども、なぜだか急に思い出した。そして、それを利用したことで、わたしの気持ちは少しだけ軽くなった。
キャリアカウンセラーとは、いわば就活に関する相談のプロフェッショナル。一人ひとりの適性や能力を客観的に把握して、就職に関しての相談やアドバイスを行ってくれる人たちのことだ。
わたしが通っている大学には、このようなキャリアカウンセラーの方が常駐しており、就活に関して疑問や迷いがある時や、話しながら自分の考えを整理したい時に利用してくださいとうたっている。学生の就職に対してそこまで力を入れてない気がする、わたしの通っている大学にさえこのような制度があったので、他の多くの大学にもこのような就活生のための支援制度があるのではないだろうか。
これはあくまでわたしが思っていたことだけれど、大学の就活イベントとか就職支援とか、当てにならないと思っていた。「なぜ?」と聞かれると、はっきりした答えは正直ないのだけれど、なんとなく自分の中で大学と就活は結びつかないものだったのだ。
周りでも、「大学の就活支援制度を積極的に使っています!」という就活生はあまり聞かない気がするのだけれど、これはわたしの周りだけ?
それはともかく、大学の就活支援制度ならば、就活エージェントのように「ビジネス」ではないので、より親身に寄り添って相談に乗ってくれる。「身近な人に相談するのは気恥ずかしいけど、誰かに聞いてもらいたい」という「こじらせ就活生」のわたしにはピッタリの相談相手だった。
就活の悩みを、誰にも相談できないというのはつらい。でも、誰に話したらいいのかわからないという時もあるだろう。わたしの場合は、今まで当てにしていなかった「大学」でピッタリの相談相手を見つけた。悩める就活生をサポートしてくれる人は、あらゆるところにいる。ひとりで抱え込みすぎず、頼れるものには頼ってみると新たな気づきが生まれたりする。(叶多凛)