これはもう医療崩壊だ! ボーナス「引き下げ」「ゼロ」で看護師が大量退職の危機

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患者減やコロナ対策費で赤字経営に

   ただ、病院経営も深刻な事態に陥っている。医労連によると、病院がボーナスを減らす理由は、コロナ禍による外来患者や入院患者が減ったこと、またコロナの感染予防対策のためにかかった諸経費や人件費が膨らんだことがある。そのため、ボーナスカットの影響は、東京都や大阪府などの感染患者が多い都市部の病院ほど影響が大きいようだ。

   医労連の調査では、病院の厳しい状況も明らかにされている。

   沖縄県のB病院では、昨年10月の消費増税と新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、経営が急速に悪化。「現状のままだと半年間で7.8億円の赤字となり、かつて経験したことのない経営危機に直面する」。今夏のボーナスは0.8か月(昨夏は1.2か月分)の支給となった。

   また、神奈川県のC病院では、4月、5月単月の「2か月で経常利益が1億7000万円を超える赤字は経験したことがない」事態に陥っている。正職員のボーナスは「1.0か月プラス3万円」(昨夏は1.38か月プラス3万円)の回答があったという。

   東京都内にあるN病院は、3月単月で経常利益で4400万円の赤字を計上。夏のボーナスは、引当金を取り崩し、残余資金での支給となることで1.38か月分(昨夏は2.225か月分)、平均25万円程度の減額となった。

   病院経営者への「圧力」も強まる。船橋二和病院(千葉県船橋市)では労働組合の一つが7月10日に夏のボーナスカットに抗議してストライキを行う事態になった。白衣姿の医師や看護師らが、「スト決行中」のゼッケンを背負い、「ストライキ決行中」との横断幕を掲げて、病院の玄関横に立った。

参考サイト:「医師らのストにエール 『コロナ減収でボーナスカット』に『国は支援を』」(J-CASTニュース 7月13日付)

   今夏のボーナスは支給できても、コロナ禍の影響でこのまま経営悪化が長引けば、「今冬のボーナスをカットする病院はさらに増えるかもしれません。退職希望者も続出する可能性も高まります」と、医労連は危機感を募らせる。「国からの財政支援を、補償をお願いしたいです」と話す。

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