伝えたいことはシンプルにまとめる
著者の吉田幸弘さんは、方法を「棚卸し」する必要性を説きます。「ルールは守らせるべきだが、状況や環境が異なれば、変えるのがルールである」と。
さらに、「ルールをつくった根拠を考えずに『いいから守れ』と強制していたら、部下も納得がいきません。強制していたら自分で考えない部下になってしまう」と指摘します。
つまり、ルールをガイドラインのひとつに過ぎないと考えればいいのです。他に適したやり方があれば変えることができるものと捉えられれば幅が拡がります。ルールは絶対不変なものではないのです。
あなたの会社にはいませんか。「ひと言で簡潔に説明します」と言いながら、やたら話が長く「この人は何が言いたいんだろう」という上司が......。
部下が聞く耳をもたなくなったら、コミュニケーションは崩壊していくでしょう。部下に指示をする前に、自分に投げかけることが大切です。脈略のない話ほどストレスを感じることはありません。
吉田さんは、次のように述べています。
「何を話すかが頭の中で明確化されていないとシンプルに伝えることはできません」
と。
伝える内容も体系立てて話せるようになるには、頭の中で明確化する必要があります。なお、本書には、基礎から応用まで多数の事例が紹介されています。新入社員や新任管理職の方へのオススメ本として紹介します。(尾藤克之)