【襲来!新型コロナウイルス】GoToキャンペーン「東京外し」は菅官房長官の小池都知事イジメか? コロナ対策そっちのけにネットの怒り沸騰!(1)

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   政府は2020年7月16日、22日から開始する「GoToトラベル」キャンペーンの対象から東京都を外すと突然発表した。推進役の国土交通省の担当者たちさえ「寝耳に水」というあわただしさだった。

   折も折、同日に東京都の新型コロナウイルスの感染者は296人に達し、過去最多となった。医療界やネットの声では「延期すべきだ」という声が高まっている。

   突然の「東京外し」の裏には何が起こったのか? 主要メディアから読み解くと――。

  • 菅官房長官VS小池都知事は「子どものケンカ」か?(いずれも2017年撮影)
    菅官房長官VS小池都知事は「子どものケンカ」か?(いずれも2017年撮影)
  • 菅官房長官VS小池都知事は「子どものケンカ」か?(いずれも2017年撮影)

突然の「東京外し」は国土交通省も寝耳に水

   7月16日午後の突然の「東京除外」方針の発表。お膝元の国土交通省の担当者たちも寝耳に水だったようだ。テレビ朝日(7月16日付)「急転直下のGoTo見直し 国交省は寝耳に水の大混乱」によると、経済部の延増惇記者が内閣府前から、こう報告した。

「国土交通省内でも衝撃が広がっています。まさにもう寝耳に水だと。急転直下で東京都除外が決まった形でして、本当に今、省内では大混乱が起きています。なぜこうなったかといいますと、もともと皆さん、観光を救うんだ、予定どおり絶対に進めるんだと、かなり国交省内は強気の姿勢でした。観光業界からも助けてほしいと、このままだと破綻のラッシュが続くという声が上がっていて、それを受けて7月22日へ前倒しを決めたわけです」

   延増惇記者は、さらにこう続けた。

「......ですが、大消費地の東京からお客さんが呼び込めないということで、非常に困惑した声が観光業界から上がっています。運用方法の最新の情報ですが、都外の人が免許証を提示して都民じゃないことを証明する必要があります。すでに都民で予約をしている人は補償がないということです」

   スタジオから、

「ちょっと待ってください。もう飛行機や新幹線、ホテルを予約してしまった都民、それから全国の人々も多いと思いますが、キャンセル代金がどうなるかなど、まったく決まっていないということですか?」

という質問が飛ぶと、延増惇記者はこう答えたのだった。

「国交省の幹部によりますと、その補償はしないということです。すでに予約をしている人は補償なしということになります」

   混乱ぶりが伝わってくる中継だったが、いったいなぜ、急転直下、「東京都の除外」が決まったのか。

菅房長官VS小池都知事の「子どものケンカ」

GoToから外された東京・浅草
GoToから外された東京・浅草

   主要紙の報道をまとめると、政府の菅義偉官房長官VS東京都の小池百合子知事の「子どものケンカ」のようなお粗末なバトルが原因らしい。

   毎日新聞(7月17日)「『都除外』GoTo迷走 政府、見通し甘さ露呈」は、こう内幕を暴露する。

「もともと与党内では『都は全然仕事をしないで国に文句を言っているだけだから外せばいい』(幹部)という不満が漏れていた。『東京除外』の理由について官邸幹部は『全国一律でいいと思ったが、都知事があれだけ(都外への外出を控えていただきたいと)言うから。政治的な判断だ』と小池氏の批判を考慮したと明かした」

   しかし、政府にとっても苦渋の判断だったことは間違いない。毎日新聞はこう続ける。

「『東京除外』は政権への一層の逆風を招く危険性もある。自民党閣僚経験者は『都民だって税金を払っている。心情的にも都民が何と言うか』と都民の反発を懸念した」

   朝日新聞(7月17日付)「GoTo先走った末 与党も慎重論、突然の東京外し」では、埼玉、千葉、神奈川の首都3県や大阪府などにも感染が拡大しているのに、なぜ東京だけが除外されたのかについて、やはり菅官房長官VS小池都知事のバトルがあったと説明する。

「菅官房長官は『圧倒的に東京問題と言っても過言でないほど、東京中心の問題になっている』と述べ、都のコロナ対策を当てこすった。一方、小池都知事はこれに対して、『(GoToキャンペーンと感染防止の)整合性を国としてどう取っていくのか』と皮肉った。国交省の幹部の一人は『官邸対小池知事になっている。ケンカをしている場合ではない』とため息を漏らした」
尾瀬国立公園
尾瀬国立公園

   そして、神奈川県や千葉県が対象外にならなかったのは、両県とも菅氏の影響力が強く(編集部注:菅氏の選挙区は横浜市)、菅氏の働きかけがあったとみられるという。

   フジテレビの情報番組「とくダネ!」(7月17日)に出演した政治ジャーナリストの田崎史郎氏によると、政府内では当初、東京だけを除外する案と、東京・埼玉・千葉・神奈川の首都圏と大阪を対象にする案の2つがあった。しかし、東京都の感染者数が増加していることや、何より小池都知事自身が「都外への移動を控えましょう」と呼びかけていることが決め手となり、「東京外し」が決まったという。

(福田和郎)

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