トヨタは半減、ホンダは9割減の惨状
日本製品の中で依然として不振なのが日本車だ。いちばん被害が少なかったトヨタの惨状を、聯合ニュース(7月13日)「韓国トヨタ 不買運動で営業利益が半分に」が、こう伝える。
「韓国でのトヨタ自動車の売上高が減少した。日本製品の不買運動が広がったことが影響した。韓国トヨタ自動車が7月13日に公表した監査報告書によると、2020年3月期通期(2019年4月~2020年3月)の売上高は約710億円(7980億ウォン)で前期比33.4%減少した。営業利益は29億5000万円で同51.4%減だった。純利益は45億4000円から19億6000万円に減った。ただ、トヨタはホンダや日産自動車に比べ、善戦している。ホンダコリアは営業利益が前年比90%減少し、日産は韓国市場からの撤退を決めた」
とはいえ、この日本製品の回復傾向も「風前の灯」だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率が急激に下がっており、支持率アップのためにお得意の「反日カード」を切る可能性が高まっている。8月4日に迫っている徴用工裁判の被告企業の差し押さえ資産の現金化だ。もし、現金化に踏み切ったら、安倍政権の報復は必至で、日韓経済戦争が再燃する。
聯合ニュース(7月16日)「文大統領の支持率44.1% 9か月ぶり低水準」が、その危険性をこう伝える。
「韓国の世論調査会社、リアルメーターが7月16日に発表した文在寅大統領の支持率は前週より4.6ポイント下落の44.1%で、昨年10月(41.4%)以来、9か月ぶりの低水準となった。当時は文大統領の側近で法務部長官だったチョ・グク氏の家族らの不正疑惑が大きな注目を集め、批判を浴びていた時期だ」
支持率の大幅な下落の最大の理由は、韓国メディアを連日賑わせている故朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長のセクハラ事件だ。約4年にわたって女性秘書にセクハラを続けていたことが発覚、自殺したが、女性秘書が警察に出した告訴の内容が、警察から大統領府を通じて故パク市長に流れていた事実も明らかになっている。
しかも、故パク市長は与党・共に民主党所属で、文大統領同様に人権派弁護士出身、後継ナンバーワンと目されていた人物だ。韓国中の世論が激怒している。「チョ・グク疑惑」の時も文大統領は世論の怒りをそらすためにGSOMIA(ジーソミア・軍事情報包括保護協定)の破棄という「反日カード」を切ってきた。今回もその手を使うのだろうか。
(福田和郎)