【襲来!新型コロナウイルス】安倍政権「Go Toキャンペーン」に知事たちが反乱!「これは人災だ」「コロナを日本中にまき散らす気か?」(1)

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「東京の業者が潤うだけで、地方の観光地にはプラスにならない」

   主要紙の社説も、こうした知事たちの声と同様に全国一律の「Go Toキャンペーン」開始に反対しているところが多い。

   毎日新聞社説(7月14日付)「Go Toトラベル 全国一斉の実施は不安だ」は、こう指摘する。

「政府の感染症対策分科会は、県境をまたいだ観光振興については徐々に進めるよう進言している。首都圏と近畿圏との往来には、とりわけ注意が必要だ。全国一斉ではなく、段階的に進めるべきだ。この事業はそもそも、感染収束後の経済対策として計画された。コロナ禍は長期に及ぶ可能性がある。感染対策に十分目配りし、柔軟に対応することが重要だ」

   本来、感染収束後にやるべき経済対策ではないか、感染が収束したといえる状況か、というわけだ。

   産経新聞社説(7月14日付)「Go Toトラベル 首都圏の対象除外考えよ」は、もっと厳しく批判する。

「首都圏を中心に感染者が急増しており、東京などの自治体は抑え込みに懸命に取り組んでいる最中だ。そうした時期に全国規模で国内旅行を後押しする政策は適切と言えない。首都圏からの旅行者は当面、除外するなど、段階的な対応を検討するべきだ」

   観光業者は、どう思っているのだろうか。各新聞とも観光業界の反応を特集しているが、「もろ手を挙げて大歓迎」という声は少ない。「客足が戻らないと大変なことになる」と歓迎する一方で、「観光客のせいで感染者が増えては元も子もなくなる」という不安とが相半ばする声が大半だ。

   そんな中で、朝日新聞(7月15日付)「Go To戸惑う観光業者『地方の救済になるか疑問』岩崎芳太郎・鹿児島商工会議所会頭」が興味深いインタービューを載せている。

   鹿児島商工会議所の会頭で、ホテルやバスなどの事業を展開している岩崎芳太郎氏が、「Go Toキャンペーンは東京近辺の一部の業者が潤うだけで、地方の観光地にはプラスにならない」というのだ。岩崎氏はこう語る。

「地方の観光業のために真の救済になるのか疑問だ。助ける必要のない人たちがいっぱい得をして、本当に助ける必要がある人が助からない可能性もあります」
東京近郊のリゾート地、箱根ににぎわいは戻るのか?(写真は、箱根登山鉄道)
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   その理由として、「旅行の需要は心理面に左右される」という。地方の観光地で最もカネを使ってくれるのは、東京などの大都市圏から来る人たちだ。しかし、この(感染拡大の)状況で、わざわざ遠くの観光地まで足を運ぶだろうか? 首都圏の人なら、東京ディズニーリゾートに泊まったり、箱根や熱海に行ったりするのではないかと、岩崎氏は分析する。

「このまま続けたら、得をするところと、しないところですごい差がつきます。東京のホテルが都民向けにお得なプランを打ち出したら、鹿児島の私たちは勝ち目ない。せめて23日からの4連休や、お盆、お正月は対象から外すべきです。8月から始めるのでも早いと思っていたのに、まさか前倒しされるとは。国は巨額のお金を使ってGDP(国内総生産)を押し上げ、経済指標をよく見せたいのでしょう」

   困っている人にきちんとお金が行き渡る、実際の運用面を考えるべきだと指摘するのだった。

(福田和郎)

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