東南アジア躍進の秘訣は初動体制の早さと島国だから
どうして、こんな結果になったのだろうか――。J-CASTニュース会社ウォッチ編集部は、調査をまとめた高山武士さんを取材した。
――ランキング上位国をみると、1位台湾、2位マレーシア、3位香港をはじめ東南アジア諸国が10位までに7か国も入っています。これはアジア人が新型コロナウイルス感染症にかかりにくいとよく言われるように、アジア人特有の生活習慣や人種的な理由が考えられるのでしょうか。
高山武士さん「過去に似た種類のコロナウイルスがアジアで流行して住民の一部に免疫があるとか、人種などによる遺伝情報の違いで免疫能力に差があるとか、あるいはBCGを接種している国に患者が少ないとか、いろいろな可能性が指摘されています。京都大学の山中伸弥教授もホームページで、日本人やアジア人に感染者が少なく、致死率が低い理由の『ファクターX』を解明すれば、今後の対策戦略に活かすことができるはずと指摘しています。
私は医学の専門外なので、そうした理由については言及できません。生活習慣の違いに言及する方もいます。たとえば、欧米人は日曜ごとに教会に集まって密集したり、握手やハグを交わしたりする人が多いが、アジア人は少ない。また言葉も、欧米人が使う言語は破裂音が多く飛沫が飛びやすい。アジア人、特に日本人はモゴモゴと喋り、飛沫が少ない。また、パーティー文化の有無も大きいでしょう。いずれも感染者数の多さに影響を及ぼした可能性は否定できません。しかし、そうした習慣よりも何よりも、コロナ対策の初動が早かったことが東南アジア諸国で被害が少なかった大きな理由として注目したい点です」
――初動体制の早さが決め手になったということですか?
高山さん「はい。台湾や香港、韓国などは2002年~2003年に中国南部から全世界に拡大したSARS(重症急性呼吸器症候群)や2015年のMERS(中東呼吸器症候群)のパンデミックの時に、手ひどい被害にあっています。その時の経験が生かされて、昨年(2019年)暮れ、中国・武漢で『謎の肺炎』が発生しているという情報が流れた時に、中国当局が詳細な発表をする前に各国が素早く動き出しました。
もっとも早かった香港は昨年末から空港で監視と感染者のモニタリングを開始しました。台湾も12月31日から国民に注意を呼びかけています。中国に遠慮して対応が遅れたと、メディアから批判を受けた日本でさえ、1月7日から『咳や発熱等の症状』がある人に対して、自己申告制ですが検疫官に申し出るよう空港で検疫体制を敷きました。こうした水際作戦の早さが功を奏しました。東南アジア諸国の多くが島国であることや、国の面積が狭いことも有利に働いたと考えられます」
(福田和郎)