業界を破壊! 第2の「GAFA」はどこにいる? 「候補」20社を紹介

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フリーミアモデル

   本書で紹介されている企業は20社ほど。日本の企業などが関係している企業もいくつかあるが、ほとんどはまだ名前も知られていない。なかには、微生物を使った農業効率化、植物を使った人工肉製造、半導体を使った冷蔵庫など、不可能とも思えるようなことに挑戦している企業もある。

   日本で過ごすわれわれにも分かりやすいのは「オンライン教育」だ。米国をはじめとする各国では2012年ごろからオンライン教育業界は猛烈な勢いで変わってきているという。どのように変わってきているのか。

   激変をもたらしたのは「MOOC(ムーク)」。「Massive Open Online Course」の略で、直訳は「大規模に公開されたオンライン講義」。受講料は基本的に無料で、インターネット環境があればどこでも誰でも世界の名門大学の講義を受けられるというサービスの総称だ。2011年から始まり、2013年からは東京大学も参加している。このMOOCを配信しているプラットフォームが「Udacity(ユダシティ)」と「Coursera(コーセラ)」、それに、非営利の「edx(エデックス)」。それぞれ専門領域が異なり、うまく住み分けながら教育コンテンツを配信している。

   コンテンツ配信だけでは社会に影響をもたらすプラットフォーマーにはなれにない。MOOCがビジネスとして可能性を秘めているのは、フリーミアモデルだから。フリーミアムは、基本的なサービスや製品は無料で提供し、さらに高度な機能や特別な機能については料金を課金する仕組みのビジネスモデル。MOOCでは、講義の受講は無料だが、修了証の発行や成績・評価を受けるなど付加サービスを希望すると有料になるという仕組みなのだ。

   「大学から小学校までの学びの本流においては、決まったキャンパスに通い、そこで講義を受けるというスタイルが当たり前です。しかし『MOOC』が作り出したオンライン教育のトレンドは、2020年におけるコロナウイルスの世界的なパンデミックにより、教育の本流を劇的に変えていく可能性を秘めているでしょう」と斉藤さんは述べている。

「業界破壊企業 第二のGAFAを狙う革新者たち」
斉藤徹著
光文社
税別820円

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