ウィズ・コロナ社会での生き残りを、企業はあの手この手で模索している。
キーワードで重視されているのは、「飛沫対策」と「非接触」。前者のツールはマスクやフェイスシールド、パーティションなど、すでに多彩。しかし、後者のツールはドアオープナーなどが考案されているものの、個人でできることとなると「飛沫対策」ほど万全とはいかないようだ。
病院の受付端末や飲食店のメニューの発券機で使える
●非接触サイネージ「エアータッチパネル」を開発
博報堂グループの総合制作事業会社、博報堂プロダクツ(東京都江東区)は、触らなくても触った結果が得られる非接触サイネージ「触れずに触れられる、エアータッチパネル」を開発。非接触ソリューションとして提供を始めた。2020年7月8日の発表。
空中に映像を結像できる、株式会社パリティ・イノベーションズ(京都府精華町)の「パリティミラー300」を使用。この空中映像技術と非接触タッチパネルを組み合わせた。そのうえで、資材調達からデザイン、設計製作までをワンストップで行い、高品質・低コストでのサービスを可能にした。
不特定多数が使用する図書館や書店の検索パネル、病院や公共施設での受付・発券端末、飲食店のメニュー端末などでの利用が見込まれる。
●飲食店支援で京都MKが「タク配」
ウィズ・コロナ社会となって飲食店の中には、新たな「二毛作」ビジネスに取り組む店舗が少なくない。従来の昼夜で業態を変えるといったパターンではなく、店舗営業にテイクアウトを重ねるといった具合だ。コロナの影響で、これがさらに変化あるいは進化した形で、デリバリーが盛んになり、専門業者のほか、輸送を行う会社が請け負うようになっている。
京都市でウェブを使ったマーケティング事業で企業に対する支援を行い、飲食店向けにテイクアウト専用予約・決済システムを手がける株式会社ランプは、京都を中心にタクシー・ハイヤーのサービスを行っているエムケイ株式会社と業務提携し、エムケイが飲食店の販売支援としてデリバリーを行うことになった。7月9日の発表。
ランプ社が手がけるテイクアウト専予約・決済プラットフォーム「TakeEats」は、飲食店がオリジナルページを作成。管理画面からメニューを登録して受注を管理できる。店舗側の初期導入や利用は無料で、ユーザーから任意の支援金を受け取ることができる「お気持ちオプション」なども。この「TakeEats」に店舗側が、テイクアウトやデリバリー用として登録したメニューを、エムケイが「MKのタク配」として、指定された場所に配達する。配達料は550円(9月末までの予定)。
「ひいひい」「ふうふう」を軽くする「ランナーマスク」開発
● 暑苦しさ、息苦しさを解消
ウィズ・コロナ社会の必需品となったマスクだが、夏の着用時の暑苦しさや、運動中に付けた時の息苦しさは、なんとかならないのか――。そんな悩みを、明治35年(1902年)の創業以来「サポーター」製造に取り組んできた老舗、株式会社D&M(ディーエム、東京都中央区)が解決してくれた。長年のサポーター製造で得た知見をもとに、同社のノウハウを凝縮して、着けながら「快適に走れる」という「ランナーマスク」を開発。7月10日から、D&Mの通販サイトで販売を始めた。
「ランナーマスク」は、品質検査機関の検査で、通常の不織布マスクよりも通気性が10.8倍であるとの評価を得ており、これまで、マスクを着けたランニングで息苦しさを感じているランナーや、またゴルフのラウンドに最適という。吸湿速乾性が高いので、夏のタウン用としても蒸れにくく快適感があるという。
子ども用(S)と、大人用の小さめ(M)とふつう(L)を用意。カラーは、S が、ホワイトと青がベースのサックス、ピンクの3色。MとLは、この3色に加え、ブラックとナイトランニング対応のネオンイエローを用意した。