営業再開のパブ わずか2日後に来客から「コロナで陽性」
ところで、英国政府が打ち出した外食の半額補助政策ですが、報道を見る限り、どうも雲行きが怪しそうです。
3か月ぶりにパブやレストランの営業が再開された7月4日(土)を、地元メディアは「スーパー・サタデー」と盛り上げていました。当日は多くの若者が街に繰り出して、待ちに待った「解禁日」を祝う姿があちこちで見られました。
長い冬の後に訪れた喜びの瞬間を味わいたい気持ちは理解できますが、私が驚愕したのは、その「三密ぶり」です! まるでラッシュアワーの電車内のようなすし詰め状態で、路上でお酒を飲んでいる人たち。マスクの着用やソーシャルディスタンスを保つなどの「ルール」は、ほぼ100%守られていません!
さらに、キャンペーン期間中の8月は英国も夏休みです。感染を懸念して旅行を控えるファミリーが多いとしても、長期休暇は家族でゆったり過ごすのが英国流。わざわざ街に出かけて外食をする家族は少ないでしょう。
おそらく8月の平日(しかも週の前半!)にレストランやパブに繰り出すのは、都市部の若者だと思います。日本と違って職場の同僚と飲みに行く習慣はあまりないですから、気の合う友達同士の集まりや「合コン」のような新しい出会いを期待する場になるでしょう。
その上、夜は9時過ぎまで明るく、ただでさえ気持ちが緩みがちな真夏です。毎日が「スーパー・サタデー」のような盛り上がりになりそうです。
そんな懸念をしていたら、衝撃のニュースが入ってきました。
パブやレストランの営業が再開されたばかりの英国で、一部の店舗はお客が新型コロナウイルスの検査で陽性を示したことで、再び営業停止を余儀なくされた、というのです。他の客や従業員も新型コロナウイルスの検査を受けるそうですから、まだまだ油断できません。
それでは、「今週のニュースな英語」はスナーク財務相の発言「We need to be creative」を取り上げます。直訳すると「我々は創造的にならないといけない」という意味ですが、「オリジナリティや知恵が必要だ」といったニュアンスになります。
まずは、「創造的であれ」と呼びかけてみましょう。
Be creative
(創造的であれ)
次に、「クリエイティブな○○」という表現です。
That's a creative advertising idea
(それはクリエイティブな広告アイデアだね)
Let's take a creative approach
(創造的なアプローチをしよう)
「人と違う」ことに価値を置く欧米では、「creative」(創造的、独創的)は最高の褒め言葉の一つですが、皮肉を込めて「粉飾した」という意味で使われることがあります。今回の「Eat out to help out」(外食して産業を助けよう)と、日本政府が準備を進めている「Go to キャンペーン」。感染第2波がひしひしと近づいているなかで、人々に外出を促す政策ですが、「ヤバい」結果にならないことを、心から願うのみです。(井津川倫子)