世界中の韓国外交網を駆使すれば「十分に勝算がある」
たとえば、聯合ニュース(7月7日付)「WTO事務局長選 韓国高官のユ・ミョンヒ氏『勝算ある』=政府が総力」は、日本の「妨害工作」に対する韓国政府の憤りを、こう伝える。
「韓国がWTO事務局長に挑戦するのは今回が3回目。青瓦台(大統領府)の金尚祖(キム・サンジョ)政策室長はラジオ番組に出演して『十分に勝算がある』との考えを示した。ユ・ミョンヒ氏が25年間、通商一筋で歩んできた専門家だという点、新型コロナ対策で世界的に女性のリーダーシップが注目されている点も攻略ポイントに挙げられる。これまでWTO事務局長を女性が務めた例はない」
と、有利なポイントをあげてみせた。唯一の懸念材料が日本の反対工作というわけだ。 聯合ニュースはこう続ける。
「韓国政府関係者は『日本が反対すれば、感情的で偏狭な対応をしていると自ら示すことになり、逆効果になる』と述べた。キム・サンジョ政策室長も『日本はアジアにおける主導権を失いかねないため、韓国候補がWTOの事務局長になることは当然うれしくないだろう。それに備え、われわれも資源を総動員する』」と強調した」
WTOは「先進国」「中堅国」「発展途上国」にグループ分けされており、次の事務局長は「中堅国」「発展途上国」から選ばれる順番とされる。韓国は「中堅国」に所属する。韓国政府としては、全世界の外交網を総動員して「中堅国こそ世界貿易の混乱をまとめられる」という「中堅国・仲裁者論」をアピールして、加盟国の攻略に乗り出す方針だ。
もし、ユ・ミョンヒ氏が落選したら、日本のせいだと言いかねないほど、執念を燃やしているようだ。
(福田和郎)