日本政府は、はなから韓国候補を眼中に置いていない?
そのWTOの訴訟の場で、日本と韓国はまさに輸出規制問題で争っているのだ。日本政府はWTO事務局長選にどういう姿勢で臨むのか――。
毎日新聞(7月10日付)「WTO事務局長選混戦 日本、韓国候補を警戒」は、こう伝える。
「日本政府は、欧州勢と連携して国際的知名度が高いナイジェリアの候補を推す案が有力だ。輸出管理をめぐって対立する韓国のユ・ミョンヒ氏を支持することには抵抗が強い。日本は表向き『日韓間の懸案は事務局長選に影響しない。あくまで人物本位で選ぶ』(外務省関係者)と説明するが、韓国の影響力拡大に警戒感を強める」
一方、産経新聞(7月10日付)「WTO事務局長選8人乱戦 韓国など各国が思惑」は、もっと冷淡な日本政府の反応をこう明かす。
「閣僚経験がないユ・ミョンヒ氏は、8人の中では『地味な存在』(外交筋)とされ、対立を深める米中など、主要国の利害を調整する能力の面でも懐疑的な見方がある。ある政府関係者は『日本メディアが韓国の候補ばかり取り上げるのは、他の候補に失礼だ』と語っており、日本政府は、はなからユ・ミョンヒ氏を眼中に置いていない」
こうした日本側の態度に韓国政府とメディアは怒り心頭だ。