小池氏の反対で地下の教室で勉強する韓国学校の生徒
ところで、韓国人学校はどうなったのか――。
朝鮮日報(7月9日付)「小池都知事再選で新設阻まれた東京韓国学校...児童・生徒は『ギュウギュウ詰め教室』で勉強」という見出しの記事で、あまりに狭すぎるため地下に教室を作ることになったという、気の毒な話を載せている。
「東京都新宿区若松町にある東京韓国学校の本館地下。太陽の光がほとんど入らない地下多目的教室のドアを開けると、嫌なにおいが鼻を突いた。東京で雨が降り続いているため、地下室特有のにおいがするのだ。教室不足のため既存の地下会議室を区切って作った教室の一つだ。韓国はもちろん、日本でも子どもたちの情緒を考慮して、よほどのことがない限りこのような『地下教室』は作らない」
韓国人小中高生1400人が約6000平方メートルの敷地に建つ校舎2棟で学校生活を送っている。施設環境は劣悪だ。校庭も狭く、縦50メートル×横60メートル。「サッカー絶対禁止」が規則だ。1954年に開校、日本で唯一、韓国の教育法に基づいて教えており、在日韓国人社会のアイデンティティーを象徴する存在だ。しかし、過密問題に悩まされ、呉公太(オ・ゴンテ)現理事長(元在日本大韓民国民団=民団団長)が中心になり、別の場所に韓国学校を建てる案を推進してきたのが、小池氏が都知事でいる限り実現の見通しはたっていない。
朝鮮日報の取材に対し、郭尚勲(クァク・サンフン)校長は、
「狭い空間で生活する児童・生徒たちを見ると、いつも申し訳なくて胸が痛みます」
と語ったのだった。
(福田和郎)