【コロナに勝つ! ニッポンの会社】テレワーク定着で家財収納のトランクルーム需要が急増

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   新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、働く人たちの多くが「働き方」の変更を迫られた。

   オフィスには出勤せず、自宅などでのテレワーク。この「職」と「住」の環境の変化で、家庭からは押し出された家財がトランクルームへ。一方の会社はオフィスの縮小に伴い、こちらもあふれた荷物がトランクルームへ。それぞれ収納スペースの需要が増している。コワーキングスペースやレンタルオフィスに加えて、トランクルームの需要が急拡大で、トランクルーム業界は一気にサービス拡大に走っている。

  • テレワークの場所のためには家財を移さねば……
    テレワークの場所のためには家財を移さねば……
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トランクルーム需要は5年後に1000億円規模に?

   東京都内を中心に各地で、「Quraz」(キュラーズ)の名称でトランクルームを展開している株式会社キュラーズ(東京都品川区)が2020年7月8日に発表した、トランクルーム市場に関する市場規模と成長予測に関する調査結果によると、2020年の市場は、調査を始めた2008年と比べて2.4倍となる650億円規模に成長し、店舗数では初めて1万店を超える見込みだ。

   同社では市場の成長の要因について、東京23区内でもともとトランクルーム需要が力強いことに加え、「テレワーク、オンライン学習の急速な浸透をはじめとした居住環境の変化による収納ニーズの高まりや、 オフィスのダウンサウジングに伴うトランクルーム需要も顕在化しつつある」ことを指摘。同じペースで市場拡大が続いた場合、5年後にその規模は1000億円を超える可能性もあるとしている。

   新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにしたテレワークは、「ウィズコロナ」の中で定着に向かっている。それもあって、オフィスと住宅でともに片付けニーズはなお高く、ふだん使わない家財などを収納するスペースとしてトランクルームが注目された。全国賃貸住宅新聞(ウェブ版、2020年7月7日付)によると、首都圏35か所でトランクルームを運営する株式会社パルマ(東京都千代田区)では、6月の収納スペースの申し込み件数が通常に比べ倍増。「用途としては、トイレットペーパーなどの備蓄品が増えたことによって、押し出された家財が大半を占めているようだ」と、同社の高野茂久社長は話している。

   テレワークの普及でトレンドになっているオフィスの縮小や撤退の拡大を受け、5年前に個人間の物置きシェアサービスを事業として設立されたモノオク株式会社(東京都渋谷区)では、2020年5月から、法人向けに荷物の保管・撤去を行う新サービスを始めた。

   キュラーズでは、都内を中心にした力強いトランクルーム需要を背景に、年末までに都内の杉並区と品川区、横浜市内の計3か所で、600室規模の大型トランクルームを開設する計画。さらに、東京都中野区で追加の出店を検討しているという。

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