「機動力」生かして在宅勤務向けのマンションにGO!
メロウは2020年6月、これまで作り上げてきたプラットフォームを衣替え。移動販売ビジネスの登録希望者を、フードばかりではなく他の業種にも拡大。プラットフォームの名称もそれまでの「TLUNCH」から「SHOP STOP」に変更。森口代表によると、そのプロセスは「アップデート」という。
この「SHOP STOP」を活用して、さっそく6月21日から、東京・豊洲市場の仲卸業者がモビリティビジネスに参入。タワーマンションの敷地の一角で鮮魚の移動販売やフードトラックによる弁当販売などを始めている。
卸売市場をめぐっては同日、改正卸売市場法が施行。これにより、市場事業者に対する第三者販売を制限する規制が緩和され、メロウのプラットフォームが販路の多角化に、いち早く活用された。
また、新型コロナウイルスの影響で、豊洲市場でも卸、仲卸業者らが小売店、飲食店の営業自粛で販路が細るなど打撃を受けていたこともあって、豊洲の事業者らは、新しいモビリティビジネスに非常に積極的という。
コロナ禍がもたらした「社会変動」にもメロウでは敏感に対応。4月末には感染拡大で営業自粛を余儀なくされ、業態転換を模索する飲食店向けに、新車フードトラックの5年リースに各種保険や開業サポートを付けた「サブスクリプションパッケージ」を設けた。
4月以前にも、フードトラックに関する問い合わせは舞い込んでいたが、このパッケージが明らかになった5月には、問い合わせ件数が3倍になった。
メロウではまた、プラットフォーマーである強みを生かして、テレワークが進みランチ需要を見込めないオフィス街から、在宅者が増えたマンション街に営業場所をすぐ移せるなど、機動性を備えていることをアピール、このことは、フードトラック側からも、マンションの住民らからも好評だったという。
メロウにとってコロナ禍は、モビリティビジネスのへの新規参入の呼び水や、知名度の向上につながったが、目指すところはコロナ対応ではない。森口代表によれば、アップデートしたプラットフォームである「SHOP STOP」で、さまざま移動販売業者を集め、マンション街での新しい街づくりなどに貢献したいという。
秋ごろまでには、鮮魚以外の参入者が、新たに顔をそろえる予定。それにより、また構想が練られることになる。