「会社は女性には優しいが、男性には厳しいのですよ」
それに、会社は女性には優しいが、男性には厳しいと指摘する声がとても多かった。
「女性は『育児がー』『保育園のお迎えがー』と言えば、会社も協力してくれるけど、男性の場合、『子ども産まれたので、残業なしでお願いしまーす!』は無理だと思うよ。正直、あなたが『母親』だから会社も最大限の協力してくれるけど、『父親』の旦那さんにそこまでの融通は利かせてもらえない場合のほうが多いよ」
「男性の育児休暇はたまに聞くようになったけど、時短は聞かない。育休とった同僚に聞いたけど、時短を申し出たら、中途半端に帰られても困るから人事異動を勧められらしい。それも出世コースからは離脱承知の雰囲気らしいよ。その点、男性は女性よりシビアだよね」
また、こんな意見もあった。
「あなたの旦那さんだって、あなたのように定時で帰る子持ち女性社員の仕事のしわ寄せがきていて残業しているのかもよ」
一方で、「投稿者の気持ちがよくわかる」という共感派も少なくなかった。
「同じ共働きなのに、『仕事だから仕方ない』と男のほうばかり優遇されているのはムカつくよね。奥さんだって仕事があっても子どもを優先にしているのだから、旦那だって早く帰ってくる努力くらい必要だよね。私ならサポートしてほしいと思ってしまう」
「残業で稼いでくれるという問題じゃない。子持ちになっても、旦那だけ当たり前のように前と同じペースで働き、妻ばかり子育ての負担を強いられるのは納得いかないと思う。お互い正社員でバリバリ働いていたならなおさらね」
同じ境遇の人からこんな声が。
「小学校教員です。旦那は会社員。私の出勤する時間が早いため、朝は旦那が保育園に送っていきます。そのため私が頑張って定時に上がり、迎えに行きます。旦那は遅く帰ってきて残業代がつきます。私だって家に仕事を持ち帰り、子どもたちを寝かしつけた後や早朝に仕事をしていますが、残業代はつきません。それなのに、旦那が残業して帰ってきて『疲れた~』と言うと、私だって、できるものなら職場で残業して家に持って帰ってきたくないと思います」
「私も共働きで、本当は残業したいのにお迎えの時間がギリギリだからみんなに謝って帰る。たまにはお迎えを代わって欲しいわ」
J-CASTニュース会社ウォッチ編集部では、女性の働き方に詳しい、主婦に特化した就労支援サービスを展開するビースタイルグループの調査機関「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長に、今回の「のんびり残業する旦那に腹が立つ」論争について意見を求めた。
――今回の論争をお読みになって、率直にどんな感想を持ちましたか?
川上敬太郎さん「投稿者さんが怒りを感じている理由は、旦那さんが残業していることに対してではなく、『のんびり』残業していると感じてしまうことにあるのだと思います。一方で、仕事と子育てを両立させるために何かを犠牲にしなければならない、という考え方が当然のようになってしまっている現状の生きづらさ、切実さについても改めて感じさせられました」
――なるほど、「のんびり」ですか。投稿者への批判の多くは「旦那はのんびり残業しているのではなく、家族のために懸命に残業代を稼いでいるのに感謝の気持ちがない」というものです。こうした考え方についてはどう思いますか。
川上さん「残業代が入るのであれば、それ自体は喜ばしいことなのだと思いますが、そのことよりも早く帰ってきて欲しいという思いが強ければ、感謝の気持ちは湧いてこないかもしれません」
――また、投稿者への批判の中には「自分は定時に帰っていると自慢しているが、その分、同僚にしわ寄せをさせているのでは」という指摘もあります。
川上さん「定時とは勤務が終了する時刻なので、定時に帰ることが自慢と受け取られてしまう環境こそが、本来はおかしいはずです。残業ありきでなければ同僚にしわ寄せがいくとしたら、その仕事環境こそが問題にされるべきです。
とはいえ、そのような批判が出てしまうのは、定時に帰ることが難しい環境で働いている人がたくさんいるという現実があるからだと思います。投稿者さん自身も持ち帰り残業をしているようですが、持ち帰り残業を免罪符にせざるを得ないこと自体が、働きづらい環境にあることを象徴していると感じます」