【尾藤克之のオススメ】ドン・キホーテの「テーマソング」を歌う伝説の部長の仕事術

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「思い立ったらいつだって ドンキホーテで待ち合わせ。ドッカンとあふれる夢を買いましょ。気分は宝探しだね。ドンドンドンドンッキードンキーホーテーボリューム満点激安ジャングル」

   誰もが聞いたことがあるドン・キホーテのテーマソング。この曲の、作詞、作曲、歌まで手がけた伝説の部長が6月の終わりに仕事術の本を上梓しました。

   著者は、田中マイミさん。「ドン・キホーテ」でアルバイトから、延べ1万人以上の部下やスタッフをマネジメントし、部長まで昇り詰めました。

   田中さんが伝授する、仕事を本気で楽しみ成果を出す仕事術とはなんでしょうか。今回、いくつかのノウハウをご紹介します。

「楽しくなければ成果は出ない」(田中マイミ著)すばる舎
  • すっかりおなじみの「ドン・キホーテ」のテーマソング(写真は、新宿・歌舞伎町にあるドン・キホーテ)
    すっかりおなじみの「ドン・キホーテ」のテーマソング(写真は、新宿・歌舞伎町にあるドン・キホーテ)
  • すっかりおなじみの「ドン・キホーテ」のテーマソング(写真は、新宿・歌舞伎町にあるドン・キホーテ)

ミラクルショッピングの秘密

   ドン・キホーテの店内は不思議な空間に満ちています。まず、目当てのものを見つけにくいのです。しかし、店内が広いから目に入ったものを忘れないように手にとって買いすぎてしまいます。商品を高く積み上げることで、ジャングルのような空間を演出しているのが特徴です。この陳列方法は「圧縮陳列」と呼ばれています。

「ドン・キホーテでは、もともとダンボール陳列や商品を縦に積むディスプレイをしていました。そこに私が派手な装飾を加えて、現在のドン.キホーテならではのゴチャゴチャとしたジャングルのようなディスプレイにしていったのです。最初に私がカスタマイズしたのは、川崎店の高額商品やアパレル品の売り場。その一角だけ、異様に派手派手だったわけです」

田中さんは、そう説明します。

   そして、

「なぜ、そんな派手派手にしたかというと、『私がおもしろかった』から。じつは、私が高校生のころ、自分の部屋を同じようにカスタマイズしていたことがきっかけでした。おもしろい空間ができると、そこにいるだけで楽しくなる、ということを高校生のころから感じていたことでした。ドン・キホーテでも、それを思い出しやってみたのです」

と打ち明けます。

―― なるほど、そこには売り場をカスタマイズするための綿密な計算があったわけですね。

   田中さんは、

「いえ、自分で装飾用のモール材や造花、布などを買ってきて、脚立に乗って、とにかく自分が好きなように、鼻歌まじりでディスプレイしてみたのです。事前に完成イメージはなく、ここはこうするとおもしろいな、なんかいい感じかも、という感覚で作っていました。お客さんにしてみたら、『あの派手なコーナーはいったい何なんだ?』と目を丸くするだろうという計算がありました」
「もし私がお客なら、間違いなくそう思って、何の売り場なのかを確かめに行きます。その予想が的中して、実際にお客さんが集まって売り上げが伸び、最終的には年間売上800億円を超える部署になっていきました」

と、話すのでした。

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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