SFや推理小説がズラリ! 文庫本から気軽に「不思議な物語」の世界へ(Vol.12 「羊頭書房」)

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営業自粛期間を経て思うこと

「事務所っぽく」店内に整然と並ぶ推理小説やSFの本
「事務所っぽく」店内に整然と並ぶ推理小説やSFの本

   古書店は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、東京都から発表された休業要請の対象に入っていた。4月上旬から解除までの1か月間半、多くの古書店が営業時自粛のためシャッターを下ろし、神保町の町は静まりかえっていたという。

   羊頭書房もそのうちの一つだ。「こんなに長くお店を閉めたことはなかったので、戸惑いはありました。自粛期間中はウェブの販売商品を増やしたりして過ごしましたね」

   営業が再開した今は、レジの前に飛沫を防ぐビニールが掛けられており、手指の消毒液も置かれている。

「今の状況を受け止めながら、『ウィズコロナ』で上手にやっていく方法を探していきたいです。神保町の街が盛り上がることが、何よりですので」

   河野さんは、穏やかに先を見据える。

   静かな店内で一つひとつの背表紙に目をうつす時間は、お店に足を運んでこそ味わえる楽しみだろう。何かと気を張るコロナ禍の日々においても、羊頭書店には粛々と穏やかな時間が流れているように感じた。(なかざわ とも)

なかざわ とも
なかざわ とも
イラストレーター
2016年3月学習院大学文学部卒。セツモードセミナーを経て桑沢デザイン研究所に入学、18年3月卒業。趣味は、宝塚歌劇団、落語、深夜ラジオ、旅行。学生時代より神保町に惹かれ、現在フリーペーパー「おさんぽ神保町」の表紙や本文のイラストを手掛けている。1994年、東京都生まれ。
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