新型コロナウイルスの「感染第2波」が懸念されなか、スーパーマーケットなどでは、出入り口での手の消毒やソーシャルディスタンスをお客にお願いしているほか、買い物カゴやカートといった備品の消毒を徹底するなどの感染防止対策を緩めない。
その一方で、お客の衛生意識が高まるなか、自主的な対策を講じることができる商品が登場する。株式会社スーパーメイト(岐阜県笠松町)が開発した「グリップメイト」がそれだ。
造っているから、わかる「アイデア商品」
●自分だけの「グリップ」に!
スーパーマーケットなどの商業施設で使う店内用の買い物カゴやカート、台車などを製造、販売しているスーパーメイトは、新型コロナウイルスの感染防止対策に、買い物カゴの持ち手やショッピングカートのグリップを直接触れないようにショッピングカバーする商品「グリップメイト」を開発。2020年7月3日に発売する。6月30日の発表。
「グリップメイト」は、買い物カゴやショッピングカートの持ち手部分に巻いて使う。ウエットスーツに使われている合成ゴム素材「ネオプレン」を使用。水をはじく性質を持ち、使用後にサッと洗って、繰り返して使うことができる。ベビーカーなどにも使える。
スーパーでは買い物カゴやカートなど備品の消毒を徹底しているが、お客自身ができる感染防止策として開発した。
●飛沫防止のパーテイションがテレワーク用に変身!
内装事業などを手がける石川県小松市のコマニー株式会社が開発したのは、新型コロナウイルスの影響で拡大しているテレワークのためのパーテイション。自宅で業務を快適に行うための環境づくりに役立つ折りたたみ式の「どこでもブースKAKOU(かこう)」だ。7月1日に発売する。
コマニーでは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、4月から従業員にテレワークの利用を推奨。利用している178人を対象にアンケートを実施したところ、約30%が「オンとオフの切り替えができない」という回答を寄せた。こうした社内の声や、「ウェブ会議で自宅内を見られてしまう」などの外部の声を踏まえて、新製品の開発に取り組んだ。
●飲食店の「メニュースタンド」でも使えるパーテイション
アルミ製品の設計、製造と販売を行っている株式会社エーディエフ(大阪市)は、飛沫防止用のほか、看板を掛けたり、メニュースタンドとして使ったりと、飲食店のさまざまスペースに対応できる「多用途」のパーテイションを開発。8月から販売を開始する。6月29日の発表。
組み立て式のアルミフレームで、ポールとバーをかぎ形、あるいは「T」字に組んでポールをベースプレートに差し込む。バーに透明の防災ビニールを取り付け、これをテーブルやカウンターの席の間に設置して使う。
現在、有効性を確認のため、飲食店で試験運用中。その結果をみて販売する意向。