さまざまスナック菓子で知られる菓子メーカー大手のカルビーは、オフィスで働くおよそ800人の社員の働き方を原則テレワークなどの在宅勤務とするほか、業務に支障がないと会社が認めた場合には単身赴任をやめて家族と同居できるようにする。
「Calbee New Workstyle(カルビーニューワークスタイル)」と名付け、2020年7月1日から適用。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で生活スタイルが変わったことを踏まえて、働き方を抜本的に見直し。「ニューノーマルな働き方」を採り入れることにした。6月25日の発表。
「モバイルワーク手当」で在宅環境の整備を後押し
カルビーでは2014年に日数を限って在宅勤務制度を開始。17年には利用日数や場所の制限をなくした「モバイルワーク制度」を導入した。これまでモバイルワーク制度の利用は一部社員にとどまっていたが、新型コロナの感染拡大が強まった今年3月下旬以降は、オフィス勤務の約800人の社員が在宅勤務に就いている。現在も継続中で、これを「Calbee New Workstyle」が引き継ぐ。
「ニューノーマルな働き方」への移行に伴い、通勤定期代の支給を停止。オフィスに出社する時は、その日数に応じて交通費を実費で支給する。また「モバイルワーク手当」を新設。自宅などで仕事を行うための環境整備に必要な費用の一部を補助するため「一時金」を支給する。
さらにテレワークによる作業を原則とすることで、業務に支障がないことを所属部門が認めた場合は、単身赴任をやめて家族と同居できるようにする。
カルビーは、新型コロナウイルスの感染拡大で、社員の安全や安心の確保を最優先に対応。オフィス勤務の社員には約3か月間、テレワークなどの在宅勤務を徹底してきた。
5月には、その当事者である800人のオフィス社員を対象にアンケートを実施。回答者の6割以上から「感染拡大前の働き方を変えたい」という意見が寄せられ、テレワークへの移行を後押しした。
ウェブ会議システムの活用が進んだことによる新しいコミュニケーションスタイルの浸透や、契約書の電子捺印や名刺の電子管理化などによる業務の効率化の進展が見込めそうなこと。また、同社では女性社員の比率が46.7%(2019年)と4割を超えることもあり、女性の働きやすさや子育て支援、ワークライフバランスへの取り組みを強めてきた。家にいる時間が増えることで、こうした点でもメリットが見込めると判断したようだ。