義務でなければマスクは着けない?!
スーパーに行ってみると、入口前に「1.5メートルの距離をとってください」と書かれた立て看板が置かれています。また、人数管理と間隔確保を目的に、ショッピングカートの使用を入店時の義務としており、マスクと手袋を着用した係員がカートを管理していました。
ここで印象的だったのが、ひとりのお客が店から出たとたん、マスクをパッと外したことです。マスクが着用義務となるのは、公共交通機関や商店など特定の場所だけ。この人に限ったことではなく、義務の対象外となる屋外の路上や公園などでは、マスクを着けている人のほうが少ないほど。「場所」による義務化が必要になるワケです。
また、前出のSさんはインタビューで、
「レストランの営業を続けていたり、そのために外出したりすることに対して、他の人から何か言われることはなかった。日本であれば、他人の目が気になって、生活がしづらかったかも」
と、話していました。
いわゆる、「自粛警察」のような事例をドイツで耳にすることがないのは、許可と禁止のボーダーがはっきりしていることに一因があるかもしれません。
規制の下に暮らしを維持し、ウィズコロナの時代を生き抜こうとしているドイツ。収束までの道のりがたとえ長いものであっても、着実に前に進んでいくことでしょう。