【ウィズコロナのドイツを歩く】マスク義務! 1.5m間隔確保! ドイツに「自粛警察」がいらないワケ?(神木桃子)

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義務でなければマスクは着けない?!

   スーパーに行ってみると、入口前に「1.5メートルの距離をとってください」と書かれた立て看板が置かれています。また、人数管理と間隔確保を目的に、ショッピングカートの使用を入店時の義務としており、マスクと手袋を着用した係員がカートを管理していました。

   ここで印象的だったのが、ひとりのお客が店から出たとたん、マスクをパッと外したことです。マスクが着用義務となるのは、公共交通機関や商店など特定の場所だけ。この人に限ったことではなく、義務の対象外となる屋外の路上や公園などでは、マスクを着けている人のほうが少ないほど。「場所」による義務化が必要になるワケです。

カートの数が制限されているので、時間帯によってはスーパーの前に行列ができることも
カートの数が制限されているので、時間帯によってはスーパーの前に行列ができることも

   また、前出のSさんはインタビューで、

「レストランの営業を続けていたり、そのために外出したりすることに対して、他の人から何か言われることはなかった。日本であれば、他人の目が気になって、生活がしづらかったかも」

   と、話していました。

   いわゆる、「自粛警察」のような事例をドイツで耳にすることがないのは、許可と禁止のボーダーがはっきりしていることに一因があるかもしれません。
   規制の下に暮らしを維持し、ウィズコロナの時代を生き抜こうとしているドイツ。収束までの道のりがたとえ長いものであっても、着実に前に進んでいくことでしょう。

高橋 萌(たかはし・めぐみ)
高橋 萌(たかはし・めぐみ)
ドイツ在住ライター
2007年ドイツへ渡り、ドイツ国際平和村で1年間の住み込みボランティア。その後、現地発行の日本語フリーペーパー「ドイツニュースダイジェスト」に勤めた。元編集長。ドイツ大使館ブログでは「ドイツ・ワークスタイル研究室」を担当。サッカー・ブンデスリーガ大好き。日本人夫とバイリンガル育児に奮闘中。
Twitter: @imim5636
神木桃子(こうぎ・ももこ)
神木桃子(こうぎ・ももこ)
ドイツ在住ライター
島根県生まれ、東京・多摩育ち。物事の成り立ちを知りたいと大学では有機化学を専攻。小売業界でのオーガニック製品や地域産品のバイヤーを経て、2014年よりドイツに移住。「もっと心地よくグリーンな暮らしへ」をテーマに、ドイツのマーケット情報やトレンド、ライフスタイルについて執筆活動中。3歳になる娘と日本人の夫との3人暮らし。
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