近年のビジネス本では、よく「速さ」の重要性を強調している。グローバル化の中で競争相手が増え、交渉ごとでのレスポンスの素早さや即断即決が、ミッションの成否のカギとなることが多いからだ。
国際的なビジネスの現場では、高いレベルのコミュニケーション力が求められるのは言うまでもない。必要なのは、「うまい」英語だという。そう聞いて腰が引けてしまう人が少なくないかもしれないが、本書「ビジネス英語便利帳」(研究社)があれば大丈夫。まずは、これらをマネしなさいと、さまざまなビジネスシーン別の「正解」を盛り込んだ。
困ったときに役に立つ、まさに「便利帳」なのだ。
「ビジネス英語便利帳」(生駒隆一著、ケリー伊藤監修)研究社
即戦力として役に立つビジネス英語を伝授
「うまい」英語が必要とされる理由には、「速さ」を満たせる高いレベルのコミュニケーション力を持っている以外に、もう一つ理由がある。
言語や文化が違う、海外とのビジネスで重要なのは、メールやレター、議事録などの相互確認と合意内容の記録。誰にでも理解できる、やさしい単語やシンプルなフレーズを使いながら、相手に誤解を与えない「うまい」英語が必須になるという。
だが、グローバル人材に求められる「うまい」英語のレベルは、「TOEICのスコアが最低でも800点を超える基礎力」と本書はいうから、そう簡単に到達できるものではない。「うまい」英語に自信のない人のために、本書はこう宣言する。
「英語に自信のない者がどうやって目前の難局を乗り切ればよいのか。答えは簡単! 『正解』をマネすること。お手本をそのまま使うしかない。本書は、即戦力として役に立つビジネス英語の『正解』をできるだけコンパクトにまとめて、実用的であることを最大の特徴にしている」