【日韓経済戦争】不買運動がブーメラン? 日本進出の韓国企業の96%が「事業が苦しい」 それでも日本を離れない魂胆は......

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徴用工問題が破裂したら韓国企業の資産差し押さえも

安倍晋三首相はどんな報復にでるか?
安倍晋三首相はどんな報復にでるか?

   政治レベルでの日韓交流はすっかり冷え切っているが、経済レベルでは楽観視しているようだ。しかし、そうは問屋が卸すだろうか。徴用工問題では8月4日を期限に、韓国の裁判所が差し押さえた被告企業・日本製鉄の韓国内資産の現金化が迫っている。文在寅(ムン・ジェイン)政権と与党・共に民主党は、現金化は既定路線として日本の報復に備えている。

   中央日報(6月25日付)「韓国与党『日本の追加貿易報復を予想...対応策をあらかじめ立てなければ』」が、臨戦態勢をこう報じる。

「日本の強制徴用企業に対して韓国裁判所が韓国内資産の売却手続きに入ることで追加の貿易報復措置が予想されるにつれ、韓国与党と政府が先制的に素材・部品・装備対策を補完・点検していくことにした。共に民主党の金太年(キム・テニョン)院内代表は6月24日、国会で開かれた素材・部品・装備党政点検会議で『日本の追加報復時、措置が速かに取られるようにその間素材・部品・装備対策推進懸案を点検・補完する必要がある。民主党は素材・部品・装備産業の戦略シーズン2を始める』と明らかにした」

   日本の報復措置が実行されてから始めるのではなく、可能なシナリオを検討して対応策をあらかじめ立てておくというのだ。では、韓国側は日本がどんな報復に出てくると予想しているのか。

   朝鮮日報(6月20日)「コラム:次第に遠ざかる韓日、破局へ向かうのか」で、チョン・グォンヒョン論説委員が悲観的な見通しを、こう述べている。

「日本に『敵に塩を送る』ということわざがある。16世紀の日本では諸大名が乱立して争っていた。そのさなかに宿敵同士だった一方が塩不足に苦しんでいた相手方に塩を送ったというエピソードに由来する。窮地に陥った敵の弱点を狙わず、雅量を示した形だ。(ところが韓国では)慶尚北道慶州市は最近、新型コロナ対策物資の確保に苦しんでいた日本の奈良市に防護服1200セットを支援したところ、大騒ぎになった。『売国奴』という非難が相次いだ」

   「塩」を送って敵を助けた行為として「慶州市長を解任せよ」という抗議運動が巻き起こった。「塩」をやりとりするどころか、互いの傷に塩を塗ることがすっかりすっかり定着したと、チョン論説委員は嘆くのだ。

「8月4日が過ぎれば、日本製鉄の資産を現金化することが可能となる。青瓦台(大統領府)と与党内部では資産の売却を既成事実化しているムードだ。支持率の挽回を目指す安倍内閣の事情を考慮すれば、(日本に進出した)韓国企業側の資産差し押さえや関税引き上げといった金融カードを切るかもしれない。輸出規制は『国産化』で乗り切ることができるかもしれないが、金融分野の『国産化』はあり得ない。基軸通貨『円』の発券国(日本)との争いは最初から相手にならない」

   チョン論説委員は、日本に進出している韓国企業の資産の差し押さえと、「円」に頼っている韓国経済の破綻を強く憂えるのだった。そして、文大統領の自制を強く求めた。確かに、8月4日に徴用工問題の「爆弾」が爆発したら、日本進出の韓国企業のやや甘い「楽観論」も吹き飛ぶかもしれない。

(福田和郎)

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