コロナ禍で大打撃を受けた飲食店。外出自粛や「3密」回避のために店内での飲食できず、事実上の休業を余儀なくされた。テイクアウトやデリバリーに活路を見出そうとした飲食店が多かったものの、追加のコストや設備の問題もあり本業ほどの成果は見込めずにいる。
ようやく政府の緊急事態宣言が解除されて営業を再開したものの、客足の戻りは鈍く、また「新しい生活様式」で入店定員を減らしているため、売り上げが戻らないままの状況が続いている。
そんな四面楚歌の飲食店を支援しようと、「イートインカー」という新たなサービスが登場した。
駐車場で「ごちそう」
●テイクアウト、デリバリーに続く新業態を開発
フランチャイズ支援、飲食店支援のコンサルティング、アセンティア・ホールディングス(神戸本社=神戸市、東京本社=東京都中央区)は、飲食業向けの新型コロナウイルス対策として、ドライブインシアターのように、駐車場のクルマに食事を提供する「イートインカー」のサービスノウハウの無償提供を進めている。2020年6月26日の発表。
「最近のマイカーはワンボックスタイプが多く、なかに十分なスペースがある。車種によってはテーブルが備えられているので、車内での食事に抵抗がない」という。郊外の駐車場に余裕がある飲食店など、採用が可能な店舗は限られるが、ノウハウ提供を受けた店舗では成果が上がっているそうだ。
ワンボックスカーの後部ドアを開放しキャンプのような食事も「イートインカー」のバリエーションの一つ。米国でスポーツイベントの際にファンが駐車場で行う「テールゲートパーティー」に似ている。
また、縁側を備えた店舗では、都市部の軒先カフェのような趣を楽しみながら食事をする客もみられるようになっている。
マスクめぐり、ニッチ需要を探る
●耐水紙で作ったマスクバンド
「マスクをしていると耳が痛い」という声に応え、オーダーメイド化粧箱などの紙器の印刷・製造に携わる新潟市の老舗メーカー、株式会社コマガタは、耳かけによる負担を軽減する紙製のマスクバンドを開発した。6月26日の発表。
「化粧箱屋のマスクバンド」と名づけられた製品は、マスクのかけひもを耳にかけず、後頭部か、あるいは、首の後ろで、つなげられるようにした。かけひもをかけられるスリットをバンドの両端につけ、スリットは左右とも3段階に分けて設けられているので、装着感が調整できる。
耐水レベルが普通紙の3倍以上のものを使用しており、夏場の汗や雨などにも強さを発揮する。また、オリジナルのデザインが印刷でき、封書やメール便に添えやすいサイズ感で、「新しい生活様式」でのノベルティとしても使い勝手がよさそうだ。
●外出時に便利な「抗菌」マスクケース
知育玩具・文具の開発と販売を行う株式会社ジオジャパン(東京都中野区)は、光が当たると脱臭、抗菌効果を発揮する光触媒紙を使った「光触媒マスクケース」を開発した。6月26日の発表。外出時のマスク収納に最適という。
外出時のマスクの着用が当たり前となったが、飲食などで外すこともある。こうした際のマスクの置き場所の悩みに応えるのが、このマスクケース。バッグなどに入れて携帯しておけば、清潔さを保ちながらマスクを管理することができる。
光触媒紙は紫外線が当たると脱臭・抗菌効果を発揮。そのケースに収めたマスクは、清潔な状態になって繰り返し使用できる。ジオジャパンは6月19日に、特許を出願した。