飲食店の「1席」がコワーキングスペースに変身
●京都のホテルで歓迎会・研修をワンパック
京旅館グループを展開する、株式会社佐野家(京都市)は、新型コロナウイルスの影響で、新入社員のオリエンテーションや歓迎会ができなかった企業や団体向けに、新たに会議・研修プランを設け、販売を始めた。6月25日の発表。
プロジェクターや音響備品などはすべて無料で貸し出す。「帰り・宿泊ともにリーズナブル」な価格設定にしたという。
京都駅に近いホテル佐野家は長年、小・中学校や高校の修学旅行やスポーツイベントなどで多く利用されている。新プランでは、そういった実績を生かして、企業研修、オリエンテーション、歓送迎会をオールインワンで構成。顧客企業の「社員一丸」を手伝いたいとしている。
なお、新型コロナウイルスの影響で、京都では三大祭りうち、葵祭(5月)、祇園祭(7月)の2つが中止を余儀なくされている。
●どこでもテレワークができるようになるかも......
新型コロナウイルスの感染予防で「3密」回避の励行が欠かせないことから、テレワークなど「出社しない勤務」が定着しつつある。
こうした状況に対応する試みとして、空席シェアリング事業「ONESEAT(ワンシート)」のプランツオーケストラ株式会社(東京都調布市)と、コワーキングスペース事業「SEEDPLACE」を展開する株式会社meetrance(ミートランス)(東京都国立市)は、カフェやレストランの空席を一時的なワークスペースとして提供し、働き方や店舗での飲食の利用に関する実証実験を行うことを明らかにした。6月25日の発表。
実証実験は8月1日から10月31日まで。東京都国立市や立川市、国分寺市などの多摩地域で実施する予定。「1時間単位で店舗内空席を貸し出せる」という、プランツオーケストラの空席シェアリング事業「ワンシート」と、国立市でコワーキングスペース「SEEDPLACE」を運営するミートランスが協働。SEEDPLACEの会員らの利用から広がりを見込む。
空席をワーキングスペースとして提供する飲食店を募り、これまで10店舗ほどが参加を表明。現在も募集中。初期費用やシステム利用料などは無料。飲食店は基本的にスペースを提供するだけだが、飲食が発生した場合は店側の売り上げとなる。スペース利用者は、専用アプリで検索から、予約や決済までできる仕組み。
実証実験を通して、街の至る所にアプリで管理できるワークスペースが設けられるサービスを構築する道を探る。